2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子ーバイオ分子融合法への超分子化学的概念の導入とメゾ構造体作成法への展開
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24760642
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 貴成 山形大学, 理学部, 研究員 (80510122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノバイオ / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究では、表面にカルボキシル基を有するナノ粒子の開発を行った後、カルボキシル基呈示ナノ粒子表面に対して超分子的に結合可能なペプチドタグをデザインし、混合するだけで蛋白質等の生体分子と無機ナノ粒子が融合できる手法の開発を行う。その後、ナノ粒子間をペプチドや蛋白質等の生体分子の相補的結合能・自己組織化能を利用し、ナノ材料の階層的構造を精密に制御し、ナノ粒子構造体の形状・サイズや材料界面に由来する特異的な物性発現を目標に研究を進める。 本年度は、カテコール誘導体を配位子とした水溶性金属錯体の熱分解法を用い、表面にカルボキシル基が呈示された金属酸化物ナノ粒子および集合体の合成条件について検討を行った。特に、カルボキシル基を有するカテコール誘導体はカルボキシル基とカテコール基により架橋構造をとり、ナノ粒子が連結した集合体を形成する事を見出した。また、pHや反応温度、圧力、反応時間等を検討し、各種条件が集合体のサイズに与える影響を明らかにした。BET法により、合成したカルボキシル基呈示無機ナノ粒子の比表面積を測定し、ペプチド-ナノ粒子間の吸着能を評価するための準備を行った。 さらに、アルギニン繰り返しペプチドのC末端にFITC分子を融合した人工ペプチドを数種類合成し、表面にカルボキシル基を持つナノ粒子と超分子的融合できる最適な溶液条件について検討している。さらに、緑色蛍光蛋白質のN末端にアルギニン繰り返しを持つ融合GFP蛋白質を発現させるための遺伝子ベクターの作成も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目的としている、『超分子型のバイオ分子-無機材料融合法の開発』に必要な、カルボキシル基が呈示されたナノ粒子合成技術が一年の間でほぼ確立された。さらに、蛍光分子が修飾された人工ペプチドの準備も完了しており、順調に研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に合成法を確立させた、カルボキシル基呈示ナノ粒子と研究代表者がデザインした人工ペプチドとの吸着挙動について、蛍光スペクトルを用い吸着定数・飽和吸着量を決定し最適なペプチド配列を決定する。さらに、人工ペプチドを融合した組み替え緑色蛍光蛋白質を作成し、実際に蛋白質の固定化に応用できる事を実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究を進めるために金属塩・配位子やベクター作成のためのDNAプライマー等の物品費を中心に使用する。今年度の研究成果を発表するために旅費を計上する。現時点では、50万円以上の物品を購入する予定はない。
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Research Products
(5 results)