2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱防御材表面触媒効率計測装置の開発及び表面触媒モデルの構築
Project/Area Number |
24760668
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高柳 大樹 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部, 研究員 (70513422)
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Keywords | 航空宇宙流体力学 |
Research Abstract |
HTV-R,また次期火星探査ミッションなど今後地球や惑星への大気突入を伴うミッションが様々提案されている.大気突入時の飛翔体への過酷な空力過熱に耐えるため様々な熱防御材が開発されているが再突入時の機体表面では「表面触媒性」という原子の発熱を伴う再結合反応により熱防御材に加わる熱負荷が増大することが知られている.そのため大気圏突入時の空力加熱量を正確に予測し,大気圏突入機体の熱防御システムの形状・重量・厚さ等のパラメータを最適化するためには表面触媒性の特性を正しく評価することが重要である.近年,より実環境に近い高圧環境下で酸素気流だけでなく窒素気流においてもプラズマを生成可能なマイクロ波加熱型触媒計測装置の開発に取り組んできた.そこで本研究では,これまで申請者が高エンタルピー風洞において培ってきたレーザー誘起蛍光法を本装置に適用し,基底準位酸素原子数密度分布を直接レーザー誘起蛍光法によって分光学的に取得することによりこれまで計測されてきた低圧環境から実応用に足る高圧環境まで広い圧力範囲に適用し,触媒効率の圧力依存性の評価を実施した. まずフローリアクターを用いて酸素原子における二光子レーザー誘起蛍光法の飽和現象について詳細に検討した.その結果,酸素原子における二光子吸収レーザー誘起蛍光法においてもレーザー強度が強くなるにしたがって蛍光信号が飽和していくさまが見られ,触媒効率を推定するためにはレーザー強度を1000 J/m2 以下にして実験をする必要があることがわかった. そのため,レーザー強度を140J/m2 程度にしてマイクロ波型触媒性計測装置にレーザー誘起蛍光法を適用し,酸化SiCの触媒効率を計測した.これらの結果は他の研究者によって得られている結果とよい一致を示した.また酸化SiC触媒効率の圧力依存性が得られ,触媒効率が圧力が高くなるにつれて小さくなることがわかった.
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[Journal Article] Application of Two-photon Absorption Laser-Induced Fluorescence to Atomic Species in JAXA 750kW Arc Heated Wind Tunnel2014
Author(s)
Takayanagi, H., Mizuno, M., Fujii, K., Sakai, T., and Fujita, K.
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Journal Title
Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
Volume: Vol.57, No.2
Pages: pp.101-108
DOI
Peer Reviewed
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