2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平川 嘉昭 横浜国立大学, 工学研究院, 助教 (00345480)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アンチローリング / 水槽実験 |
Research Abstract |
本研究「省エネルギー型アンチローリングシステムの開発」では、船に搭載した錘を上下方向に動かす事によって、船のローリング(横揺れ)を抑えるという、新しい発想のアンチローリングシステムの研究である。 過去に実施した実船実験において、本アンチローリングシステムによりローリングを抑えられる事を確認していたが、実験船が大きく動揺する様な波浪条件での実験が出来なかったため、本システムが有効な周波数範囲等について確認する事が出来なかった。この問題を解決するために、水槽実験用の模型船を製作し、横浜国立大学大型実験水槽において、波浪中実験を行う事によって、様々な波浪条件下での実験を実施した。船体形状はプレジャーボート(クルーザー)船型とし、スケール比は1/25とした。模型船全長は1.47m、想定実船は全長約37mである。 模型船が小型で、様々な機器を搭載出来る余裕が無かった為、以下のような工夫を行った。搭載した錘の制御では、模型船に搭載したロール角・ロール角速度センサーのデータを無線で曳航台車上に送信し、曳航台車上のPCによって錘の動かし方を計算、錘の位置指令を模型船に送信するシステムを製作した。また、通常、実験水槽での波浪中船体運動計測は模型船に搭載される運動計測センサーによって行われるが、本研究の減揺原理となっている上下に移動する錘の動きを捉えるために高解像度のカメラを用い、画像処理を利用した。 実験では横波中及び航走時向波中について、実際の海に対応する不規則波を水槽に発生させ、周波数応答関数やローリングのパワースペクトルから本システムの非制御状態と制御状態で比較を行い、本システムの減揺効果を確認する事が出来た。具体的には、船体排水量の約2%の錘を上下させる事により、不規則波中(航走時向波中)においてローリングを23%減少させる事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は実船実験(平成22年度実施)の結果を元に、従来の制御法を用いて水槽実験を実施し動揺低減効果を検証する事を目標としており、これについては上記報告の通り達成出来た。また、制御システムを含む実験システムも構築出来、今後より省エネルギーな制御方法を検証するためのベースが出来たとも言える。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の制御法は船体のロール角・ロール角速度を用いたPD制御で行っていたが、より効率の良い制御方法の検討を行う。その際には全てを実験により確かめるのでは無く、数値計算を利用する事により、様々な制御方法を検討出来ると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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