2012 Fiscal Year Research-status Report
船体曲がり部ブロックにおける曲面形成および組立の最適化工法の開発
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24760678
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
伊藤 真介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50535052)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プレス / ぎょう鉄 / 曲面形成 |
Research Abstract |
本研究では、船体建造における、プレス加工シミュレーションの開発および小型プレス実験による検証を行い,プレスによる自由曲面形成法を開発するとともに、プレスおよびぎょう鉄双方の利点を生かした最適な板曲げ工法を開発することを目的としている.当該年度では、弾塑性FEM解析によるプレス加工による曲げ変形シミュレータの開発を行い、様々な荷重条件におけるデータベースを作成した. 船舶の曲げ鋼板は主にプレス加工と呼ばれるプレス曲げであら曲げを行い,その後,熱間加工と呼ばれるぎょう鉄を用いて複雑な形状を作成する.プレス曲げは短時間で大きな変形が可能であるが、細かい加工が困難であるのに対して,焼き曲げは複雑な曲がり形状を作成可能である.当該年度においては、プレス加工を対象とした、三次元弾塑性FEM解析ツールを開発した。この解析ツールは接触要素によりプレス、板、プレス台を繋げることにより逐次的にプレスの解析を行うことが出来る。この解析手法により実施工における板厚およびプレス荷重を用いてプレス実験および解析を行い、プレス荷重が変形に及ぼす影響について結果を比較したところ、良好な変形結果を得ることが出来た。 プレス加工を用いて目的形状を成形するには必要なプレス条件を選定する必要がある.そこで、プレス解析ツールを用いてプレス加工を行った際に発生する固有変形および曲がり角のデータベースを作成した。さらに、平板を目的形状に変形させるために必要な,平板に与えるべき固有ひずみ分布を目的固有ひずみ分布とし、展開形状において目的形状に必要な変形量を目的主曲率分布から算出し,その領域の変形量を満たす荷重条件をデータベースから選出する手法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の計画であった.①プレス加工シミュレーションの開発および性能評価 ②プレス加工シミュレーションによる固有ひずみデータベースの構築 ③自動曲面形成法の開発について.概ね計画通り開発することが出来た. ① プレス加工シミュレーションの開発および性能評価は先述の通り.弾塑性解析および接触要素を用いたシミュレータの開発が完了し.また.実験より.本シミュレータの妥当性についても確認することが出来た. ② プレス加工シミュレーションを用いて.固有変形データベースの構築を行い.プレス荷重により各固有変形量を選定出来る様になった. ③ 平板を目的形状に変形させるために必要な,平板に与えるべき固有ひずみ分布を目的固有ひずみ分布とし.変形量を満たす荷重条件をデータベースから選出する手法を開発した.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き.計画通りに研究を進めていく所存である. ①自動曲面形成の最適化に関する検討(平成25年4月~平成25年11月)目的固有ひずみから加熱線、プレス線の位置決定時には、線状加熱による加熱線を最小化させるようにプレス線を決定させる最適化手法の開発を試みる。また、プレスでは生じず、線状加熱でのみ発生する板の横収縮についても、必要とする収縮量を定量的に求める。 ②画像計測による曲面形成の実証実験(平成25年12月~平成25年3月)本手法の妥当性および精度検証を行うために、デジタルカメラを用いた画像計測による実証実験を行う。プレス加工については、相似形の小型試験片によって実験することが出来るため、実機モデルの1/5(400×200×2mm)程度の試験片を作成し、オートグラフを用いて板曲げ加工実験を行い、自動曲面形成法の実証実験および性能評価を行う。 ③船体曲がり部ブロックの溶接変形解析(平成25年12月~平成25年3月)曲面部材に対し、防撓材が溶接され、曲がり部のブロックが製造される。これらの曲がり部ブロックは平行部と比較して格段に変形制御が難しい言われており、本研究では、上記の開発手法により形成された曲がり板の小組立および大組立まで溶接変形を予測する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通りである。主だったものについては下記に示す。 ① 並列計算用ワークステーション(ユニットコム,AEX9-SR, GeForce GTX 580 4枚搭載 4台×250千円) ②TIG溶接機 (ダイヘン, デジタルインバータ制御式直流パルスTIG溶接機 1台×400千円) ③現場解析用 Note PC (PanasonicLet's note N10 CF-N10EYADR 1台×250千円) ④小型ぎょう鉄およびプレス加工実験用鋼材および加工費 (600千円)
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