2013 Fiscal Year Annual Research Report
粘性CFDを用いた自由航走シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
24760680
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
坂本 信晶 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80550003)
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Keywords | CFD / 操縦性能 / 自由航走 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、以下の通りである。まず、前年度からの課題であったプロペラ回転数・舵角の制御モデルとしてPIコントローラーを実装し、その動作および精度検証を行った。その結果、プロペラ回転数をPIコントローラーを用いて制御することで、静止状態からmodel point/ship pointの自航点まで直接計算が可能となった。また、同コントローラーを用いて舵角を制御することで、いわゆる保針性シミュレーションが可能となった。 PIコントローラーの実装と並行して、1つの計算領域内で複数の座標系(本研究では舵と主船体を対象とする)を取り扱うことが出来るよう検討を行った。今回は、主船体の運動には計算領域全体が追従して動き、舵の運動には舵周囲の指定した領域のみが追従して動くような機構とした。その結果、船体と舵上端との間に若干のクリアランスを確保してやりさえすれば、形状によっては30度まで舵角を取った計算が可能となった。 上記に示した開発を行った後に、定舵角旋回シミュレーション(舵角20度)、zig-zagシミュレーション(10/10, 20/20)、スパイラルシミュレーション(yaw角-15°~+15°)の各計算を行い、比較できるデータについては試運転解析結果を用いて検証を行った。定舵角旋回計算では、舵への流入速度がプロペラの回転流により非対称となり、結果として左旋回した際の旋回半径が右旋回した際の旋回半径に比べ小さくなるといった特性を良く表わす結果を得た。zig-zag計算では、1st overshoot angle、2nd overshoot angle共に試運転解析結果に良く一致する結果を得た。しかし20/20では、1st overshoot以降、操舵に対する船体運動の応答が試運転解析結果に比べ遅くなる結果を示しており、今後の精度検証の課題としたい。
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