2013 Fiscal Year Annual Research Report
操船者の推論を考慮したレーダ画像処理による小型船舶映像の抽出に関する研究
Project/Area Number |
24760681
|
Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
西崎 ちひろ 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70570993)
|
Keywords | 見張り支援 / レーダ画像 / レーダ画像処理 / 小型船舶 / 操船者 / 船舶運航 / 海上安全 |
Research Abstract |
本研究は、衝突海難事故が多数発生している漁船等の小型船舶に対する見張り精度を向上させるため、すでに多くの船舶に搭載されているレーダに着目し、画像処理による小型船舶映像の抽出を目的として実施している。平成25年度の実施事項を下記に示す。 1. 平成24年度に収集したレーダのラスター画像及び構築したアルゴリズムを用いて、レーダ反射映像のみ抽出したラスター画像(ベース画像)作成し、輪郭に着目したラベリング処理を行った後、同じラベルの付けられた個々の画像に対し、面積、輪郭の長さ、自船中心から画像重心までの距離、円相当径、凹凸度、包形幅・高さ、凸包数、重心明度を8つの特徴点として抽出した。 2. 船舶画像と異なり、海面反射の画像がランダムな場所に現れる特徴を考慮するため、ベース画像の前後の画像を参照し、3枚及び5枚の画像について、重心座標上の明度を積み上げた値(重ね合わせ明度)を特徴点の一つとして抽出した。 3. 1.2.で抽出した9つの特徴を特徴パラメータとし、クラスタ分析を行った。形成されたクラスタの特徴を分析し、クラスタ数を段階的に増加させた結果、クラスタ数が6つ形成された場合、海面反射等の雑音画像を多く含む特徴的なクラスタを抽出することができた。 4. 3.の特徴的なクラスタに分類された画像を雑音画像、その他のクラスタに分類された画像を、小型船舶映像を含む船舶画像であると定義し、あらかじめ航海士へのヒアリング調査と、主観的評価により手動で用意した船舶画像と雑音画像の分類データとの比較による評価を行った。その結果、約83%の画像について、船舶画像か雑音画像かの判定を正確に行うことができた。誤判定した大半は雑音画像を船舶画像として判定したもので、本研究のアルゴリズムを用いることで、船舶画像の大半をレーダの捕捉対象として判定できると考えられる。ただし今後は、誤判定を減らす工夫が必要である。
|