2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760682
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
藤本 修平 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (80586686)
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Keywords | 混相流 / 流れの可視化 / 流れの不安定 / 塗装 / 液体微粒化 |
Research Abstract |
最終年度である平成25年度には(1)「噴霧粒子の運動状態の計測」,(2)「不安定波の観測」および(3)「自己組織化の定量評価」を実施した.また,「液滴分裂の観測」を試みた.以下に各実施項目の概要・成果について述べる. 平成24年度に確立した実験方法(高速度カメラによる粒子の運動計測)に関し,実験データ画像の解析手法を改良した.mean shift法による撮影画像からのノイズ除去や粒子画像流速測定法による粒子移動速度の算出等により従前の方法よりも精度の良い粒子の運動計測が可能となった.改良した手法により,前年度に引き続き噴霧内各位置において粒子の「移動速度」,「移動方向」,「粒子径」の分布を計測した.ノズルからの距離が離れるにつれての粒子移動速度の減衰度合等が定量的に明らかになった. また,ノズル近傍での液膜不安定の様子を観測した.高速度カメラを使用しバックライト法により,液膜に生じた不安定波を黒い影として観測した.不安定波の発生箇所(平滑液膜と不安定波の境界面)は付加圧力の増加に伴いノズル近傍に移動していくこと,また,不安定波の境界面の位置自体も振動しており,その振動数が圧力増加により高くなっていくこと等が判明した.「液膜不安定」と「粒子の運動」との中間に存在する「液滴(粒子)分裂の観測」も試みたが,高速度カメラの撮影コマ数と撮影領域サイズのトレードオフ関係等の制約から,当初目標としていた分裂の様子の観測には至らなかった. 以上の研究結果から,噴霧の自己組織化を定量評価した.例えば噴霧中心付近と外縁付近とで粒子速度の分布を比べると,中心付近では速度分布の分散が比較的に小さいが外縁付近では分散が大きくなることが判明した.こうした定量的な粒子速度分布の情報は,今後研究代表者が実施を予定している液滴の衝突→塗膜の形成過程の詳細観測実験の重要な基礎となる成果である.
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Research Products
(2 results)