2013 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物を有効利用した太陽光と微生物による地下水・土壌汚染浄化法の開発
Project/Area Number |
24760685
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
晴山 渉 岩手大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00451493)
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Keywords | 地下水・土壌汚染 / 揮発性有機化合物 / 光分解 / バイオレメディエーション / 廃棄物有効利用 |
Research Abstract |
本研究では、揮発性有機化合物(VOC)による地下水・土壌汚染の浄化手法として、太陽光と廃棄物中に含まれる有機酸および鉄イオンによるVOCの分解処理と微生物分解によるVOCの分解法を組み合わせることにより、効率の良いVOCの浄化手法の開発を目的とした。 ヤマブドウの果汁残渣と鉄イオンを用いた光分解実験を行い、種々のVOCの分解速度を明らかにした。その結果、本光分解法は、クロロエチレン類に対する分解速度が大きいことが分かった。また、トリクロロエチレン分解後のトリクロロエチレン中の塩素は、全て塩化物イオンとして存在しており、分解後に他の有機塩素化合物が生成していないことが分かった。 次に、岩手・青森県境の不法投棄現場の地下水から採取した微生物群においては、種々のVOCの分解実験を行い、ジクロロメタンを好気性環境下で効率良く、分解できることが分かった。また、ジクロロメタン中の塩素は、ジクロロメタン分解後、全て塩化物イオンとして存在した。 よって、クロロエチレン類を光分解、ジクロロメタンを微生物分解を用いることで、こららが複合した汚染であっても効率良く浄化できることが考えられる。そこで、トリクロロエチレンとジクロロメタンを混合した条件で、ヤマブドウ果汁残渣と鉄イオンを用いて、トリクロロエチレンを速やかに光分解した後、残留したジクロロメタンを微生物により分解可能か検討を行った。その結果、これらの分解処理法を組み合わせるためには、pH調整、酸化剤残留等の条件を調整する必要があることが分かった。
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