2014 Fiscal Year Annual Research Report
粘土鉱物に吸着したセシウムイオンの構造解明と脱離法の探索
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24760688
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
森本 和也 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (10565683)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | イオン交換反応 / セシウムイオン / マグネシウムイオン / 汚染土壌 / 粘土鉱物 / 除染 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、本研究課題の最終段階として、福島県内の汚染土壌のサンプリングを実施し、放射能濃度の測定および含まれる放射性セシウムのイオン交換法による脱離・溶出試験を試行した。調査とサンプリングは福島県相馬郡飯舘村の農業用ため池において実施した。
ため池底質のコア試料の採取を行い、ゲルマニウム半導体検出器によるγ線スペクトロメトリ法による放射能濃度測定を行った。採取したため池底質試料を用いて、室内実験レベルでの放射性セシウムイオンの脱離試験を試みた。溶液化学的手法によるセシウムの脱離を試行し、脱離試薬には昨年度までの模擬実験において脱離効率の最も高かった硝酸マグネシウム水溶液を用いた。放射性セシウムを含有する底質試料に対して3.0 mol/Lの硝酸マグネシウム水溶液を添加して振とうした後、固液分離して固相の放射能濃度測定を行った。その結果、脱離試験の前後における放射能濃度にはほとんど差は認められず、高濃度のマグネシウム水溶液を用いた場合でも、ため池底質に含まれる放射性セシウムの脱離反応はほとんど生じないことが明らかとなった。その要因としては、昨年度までに明らかにした粘土鉱物に対するセシウムイオンの吸脱着反応が非平衡であるということに加え、汚染土壌に含まれる放射性セシウムが極低濃度であること、また原発事故後の時間経過によって放射性セシウムが土壌の粘土鉱物中のより安定な吸着サイトへ移行している可能性などが考えられた。
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