2013 Fiscal Year Annual Research Report
AE信号と中性子回折の同時測定による岩石内き裂周辺の応力ひずみ評価
Project/Area Number |
24760691
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Research Institution | 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び東海事業センター(利用研究促進部)) |
Principal Investigator |
阿部 淳 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び東海事業, その他部局等, 研究員 (70513604)
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Keywords | 中性子回折 / ひずみ解析 / AE信号測定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、圧縮応力下にある岩石試料に対して、AE信号測定と中性子回折法を組み合わせることにより、岩石内部に変形やき裂が発生した時間や場所、メカニズムに関する情報とひずみに関する情報を同時に取得できるようにすることである。本手法を用いれば、結晶中に蓄積したひずみ量と、鉱物粒子の滑りなどの変形に関する情報も得られるようになり、岩石材料がマクロに変形するメカニズムを詳細に解析できる。また、従来のひずみ測定手法では不可能な岩石内部に発生したき裂や欠陥周りのひずみ分布を実験的に求めることが可能となる。 平成24年度には、AE信号と中性子回折パターンの同時測定システムを立ち上げ、降伏応力近傍でAE信号を発生させることが知られている金属材料を用いたコミッショニングを行った。AE信号測定には1chAE信号測定装置を用いた。さらには、岩石材料の一軸圧縮試験を行いながらAE信号と中性子回折パターンの同時測定を行った。コミッショニングの結果、双晶にともない発生したAE信号とひずみに関する情報を取得できるようになった。岩石材料を用いた実験では、結晶中に蓄積した格子ひずみと鉱物の滑りや微小き裂の発生にともなって発生したとみられるAE信号を測定することができた。さらには、AE信号の周波数特性は岩種によって異なる傾向を示したため、異なる変形メカニズムにより岩石材料にはマクロにひずみが蓄積していると推測される。 平成25年度には、4chAE測定システムを立ち上げ、AE発生源の位置標定を行いながら、様々な種類の岩石試料を用いて実験を行う予定であったが、中性子回折実験を行える研究施設が計画外停止したため、中性子回折実験は行わず、AE信号測定装置の高度化、コミッショニングなどを行い、今後の研究方針についての検討を行った。
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Research Products
(4 results)