2013 Fiscal Year Research-status Report
安全性向上の観点からの核融合発電プラントシステム設計最適化
Project/Area Number |
24760704
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
後藤 拓也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30509518)
|
Keywords | 核融合炉システム設計 / 安全性 / 設計パラメータ最適化 |
Research Abstract |
平成25年度は、プラントシステム解析コードの整備、特にシステム設計コードおよび炉心プラズマ運転シナリオ解析モデルの改良を行った。具体的には、平成24年度に開発したヘリカルプラズマの準1次元粒子・エネルギーバランスモデルを改良し、複数のLHD実験データへの対応を容易にしたほか、不純物や加熱効率、計測誤差等の影響も考慮できるよう計算モデルの一部を改良し、また外部加熱の制御手法に関するモデルの開発にも着手した。改良した炉心プラズマ運転シナリオ解析モデルは単体の解析コードとしてヘリカル核融合炉設計で活用され、三次元平衡・輸送計算とのクロスチェックを含めたさらなる改良にも着手している。またシステム設計コードについても、トリチウムバランス解析モデル、炉心プラズマ運転シナリオ解析モデルとの連成作業が進展したほか、物量やコストを評価するモジュールの追加も行い、より総合的な評価が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
並行して職務として行っているヘリカル核融合炉概念設計活動において、炉心プラズマ運転シナリオ解析コードの改良が優先事項として位置づけられたため、その作業に予定していたよりも多くの時間を要した。結果としてモデルの大幅な改良を実現することができたが、他の作業の進捗への影響が生じている。今年度目標としていたシステム設計コードの改良作業は予定通り進展したが、熱流動計算環境整備については、当初予定より大幅に遅れており、ベンチマーク計算に至っていない。 この結果、設計領域解析作業が場合によっては当初予定の本年度前半よりも遅れる見通しだが、プラントシステム解析コードによる予備解析をより詳細に実施し、本解析の効率化を図ることで、当初計画で想定していた最終的な研究目標の到達度を達成する計画である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、プラントシステム解析コードを用いた予備解析の実施に向け、昨年度までの作業で取り残した統合作業の完了を急ぐ。昨年度各コードの改良・拡張が進んだため、できる限りその改良部分も含めた統合を行い、最終的な解析の定量性、信頼性の向上を図る。 遅れている熱流動計算については、ベンチマーク用のモデルの作成とベンチマーク計算を急ぎ、当初計画では平成25年度中行われる予定であった少なくともも一種類のブランケットシステムについてデータベースの構築を確実に実施する。当初計画にもある通りデータベース構築が完了せずとも設計領域解析は可能であるため、予備解析については統合作業の完了後すぐに開始し、最終的な設計領域解析の進め方についてはデータベース構築作業の進展状況を見ながら柔軟に対応する。
|