2013 Fiscal Year Research-status Report
使用済核燃料中の核種非破壊分析への中性子共鳴吸収法の適用に関する研究
Project/Area Number |
24760714
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 順一 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (30362411)
|
Keywords | 中性子共鳴 / パルス中性子源 / 非破壊分析 / 核燃料物質 / 即発ガンマ線 |
Research Abstract |
本研究では、使用済核燃料体に含まれる核種を迅速且つ非破壊で定量するための技術として、パルス中性子源を用いた中性子共鳴吸収法の適用を検討し、その有効性を検証することを目的としている。 前年度は中性子捕獲ガンマ線測定のためのBGO検出器を整備し、Self-indication法という新たに提案した分析手法を適用して、金箔を用いた定量試験を行って良好な結果を得たので、平成25年度は前年度に得られた知見に基づいて、核燃料物質であるU-238の定量試験を京大炉ライナックのTOF施設で行った。Self-indication法による共鳴吸収量の測定によってU-238を定量することに成功した。また、実際の使用済核燃料体への適用性を評価するために、50GWd/tまで燃焼したBWR-MOX燃料ペレットを対象にモンテカルロ・シミュレーションによる計算を実施したところ、従来の透過中性子法では判別が困難であったI-129等の核分裂生成核種の同定も可能となり、Self-indication法が実用上極めて有用であることが分かった。また、核燃料物質の共鳴吸収量の変化から核燃料の燃焼度を推定できることを示した。 中性子共鳴吸収法の波及効果を高めるために、中性子イメージング装置からの出力信号を用いて透過中性子のTOF測定を行い、核種識別型中性子イメージングを実現するために必要な中性子束増強の見通しについても検討を行った。今後は福島第一原子力発電所の溶融燃料を対象にした非破壊核種分析への応用を視野に入れながら研究を展開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題である使用済核燃料中に含まれる核種の定量について、定量試験及び計算による実燃料に対する定量評価を実施し、概ね良好な結果を得られたので、計画通りに進捗していると考えている。得られた成果については国内学会、シンポジウムで公開している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は2年計画であったが、最終段階の論文投稿には至っていないので、実施期間を1年間延長させて頂き、これまで得られた成果を論文にまとめ、投稿する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度に論文を投稿して成果発表を行う予定であったが、論文作成から査読を通してアクセプトされるまでに要する時間を考えると、平成25年度の実施は困難であると判断し、翌年度分に繰越しをさせて頂いた。 これまで得られた成果を社会に公開するために、学術誌への投稿論文の英文校正及び投稿料として使用する。
|
Research Products
(2 results)