2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境と調和する柔軟発電体を用いた海床設置型波エネルギー発電装置の開発
Project/Area Number |
24760729
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 義和 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00335704)
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Keywords | 自然エネルギーの利用 / 波力発電 / 環境発電 / 柔軟発電体 |
Research Abstract |
近年、欧州諸国の自然エネルギー利用発電への関心と期待は非常に高く、政府主導の下、積極的な施策がなされている。そこで、本研究課題では、日本沿岸に到来している平均7 kW/m の波エネルギーにより発電し、かつ人工藻場としても活用できる、環境と調和する柔軟発電体を用いた海床設置型波エネルギー発電装置の提案ならび研究開発を行った。 平成24年度では、研究計画に基づき、高出力の柔軟発電体の開発とその理論設計計算手法の開発、小型造波水槽を用いた発電実験、を実施した。理論設計計算手法の開発では、はり理論に基づき、柔軟発電体の理論解析方法を開発し、その妥当性を加振実験により検証した。小型造波水槽を用いた発電実験では、様々な板厚さ、幅、長さの柔軟発電体を製作し、波浪中での発電能力について検討を行った。その結果、構造様式(圧電フィルムの厚さ、柔軟発電体の厚さ)を改良することで発電性能が向上すること、柔軟発電体の本数を増やすことで構造物の発電能力が向上すること、波に対して柔軟発電体を水平に設置した場合が概ね発電能力が高いこと、が確認された。 平成25年度では、研究計画に基づき、発電特性に関するスケール則の検討、現地実験、研究の統括を行った。スケール則の検討では、様々な厚さ、幅、長さの柔軟発電体を試作し、発電体の設置向きも考慮した波力発電実験を実施し、発電特性を整理した。また、前年度の発電特性評価方法を進化させ、波を受ける柔軟発電体の発電特性評価方法を開発し、その妥当性を検証した。現地実験では、広島大学竹原ステーションなどで小型の海床設置型波エネルギー発電装置を用いて発電実験を実施し、発電できることを確認した。そして、研究の統括を行った。今後は、得られた成果、特に、発電特性評価方法を用いて、海象条件を考慮した実機スケールの海床設置型波エネルギー発電装置の設計・提案・製作を実施していく予定である。
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Research Products
(9 results)