2013 Fiscal Year Annual Research Report
眼形態多様性を生み出す遺伝子発現ネットワークの分子進化
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24770002
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
小倉 淳 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (60465929)
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Keywords | 進化 / 眼の多様性 / 比較トランスクリプトーム / 次世代シーケンス |
Research Abstract |
動物の眼は視覚情報の入力器官として、また脳神経系の末端組織として非常に重要でありながら、形態多様性を保持している。この眼の形態形成ネットワークに関する研究を頭足類をモデルに行った。25年度は、脊椎動物と相同なカメラ眼を持つ軟体動物・頭足類のヒメイカにおける眼の発生メカニズムを調べるため、発生過程の胚を用いた遺伝子発現プロファイルの比較解析を行った。その結果、眼のマスターコントロール遺伝子といわれるPax6がヒメイカにおいて選択的スプライシングを行っていることがわかった。in situ hybridizationやQPCRによる発現確認の結果、この選択的スプライシングが、組織あるいは時期特異的に発現していることが確認された。また、ほかの軟体動物では選択的スプライシングが確認されなかったことから、頭足類においてカメラ眼の発生に関係して選択的スプライシングを行っていることがわかった。ヒメイカと同じ前口生物に属するショウジョウバエなどでは選択的スプライシングは行っておらず、カメラ眼を保持する脊椎動物では選択的スプライシングを行っていることから、カメラ眼を持つ生物において独立にPax6の選択的スプライシングが獲得されたことがわかった。この研究成果は、責任著者として論文発表を行った(Yoshida, Yura, *Ogura, Scientific Reports, 4:4256, 2014)。
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