2013 Fiscal Year Annual Research Report
Zip3タンパク質ネットワーク解明によるシナプトネマ構造構築メカニズムの理解
Project/Area Number |
24770004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林原 加代子 大阪大学, たんぱく質研究所, 招へい研究員 (00624389)
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Keywords | 減数分裂 / 交叉型組換え / シナプトネマ複合体 / Zip3 |
Research Abstract |
本研究では,減数分裂期の正常な進行に必須である染色体高次構造「シナプトネマ複合体(SC)」の構築メカニズムに迫るため,SC構築において中心的な役割と担うと考えられるZip3周辺のタンパク質間ネットワークを明らかにすることを目的とした. Zip3の変異体株を作製しSC構築に寄与する機能部位を探索したところ,C末端側の168アミノ酸を欠失した場合に,Zip3は染色体上に局在するもののSCの伸張に異常が見られた.またこのC末端領域に依存して,交叉型組換えに必須な因子であるMsh4-Msh5ヘテロ二量体のうちMsh5が減数分裂期染色体に局在することを明らかにした(Msh4はテクニカルな問題で検出できていない).続いて,Zip3のタグ融合型組換えタンパク質を用いて減数分裂期細胞抽出液からプルダウンアッセイを行い,Zip3とMsh5が物理的に相互作用することも確認した.実際にZip3のC末端領域欠失株においては,交叉型組換えの産物が,野生株に比べて有意に減少していた. 前年度には,DNA損傷チェックポイントクランプ9-1-1複合体(Dac1-Rad17-Mec3)とZip3の物理的相互作用も確認している.これらの結果から,減数分裂期において,DNA二重鎖切断部位にリクルートされる9-1-1複合体と,DNA二重鎖切断部位で組換えを制御するMsh4-Msh5ヘテロ二量体の間をZip3が仲介していることを明らかにした.
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