2012 Fiscal Year Research-status Report
植物の食害応答を制御する糖エリシターの受容機構の解明
Project/Area Number |
24770019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有村 源一郎 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (60505329)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | オリゴ糖エリシター / 植食者 / ダイズ / 受容体型キナーゼ |
Research Abstract |
「植物―昆虫間相互作用の分子メカニズム」の解明は、植物自身がもつ対植食者防御戦略を積極的に活用する技術のシーズとなり、次世代のダイズ生産体系を確立する上で非常に重要な研究課題である。本研究では、害虫が分泌して植物の防御応答を誘導するエリシター化合物と結合する植物受容体タンパク質の同定を目指している。本年度は、共同研究者であるMaffei教授によってヨトウガ幼虫から単離された唾液エリシター「beta-galactofuranose polysaccharide」をリガンドとする受容体タンパク質を同定するための基盤研究を行った。NBRPミヤコグサ・ダイズ中核機関(LegumeBase)よりダイズ完全長cDNAを入手し、病原菌エリシターをリガンドとして受容するLysM型receptor-like kinase (RLK)の相同性遺伝子(24クローン)のタンパク質を無細胞タンパク質合成系を用いて合成した。受容体タンパク質とGST+FLAGタグとの融合タンパク質を発現させることで、受容体とオリゴ糖リガンドの分子間相互作用実験「BIACOREシステム」に適した合成受容体タンパク質を得ることが出来た。これらの合成タンパク質と精製オリゴ糖エリシターを用いた解析を実施し、害虫防除に資する植物―昆虫相互作用メカニズムを解明する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究によって実施されているbeta-galactofuranose polysaccharideの精製が計画よりも遅れたため、ヨトウガ幼虫の吐き戻し液をリガンドとして用いた予備実験しか達成出来なかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度に安定的に合成することに成功したRLKタンパク質と精製オリゴ糖エリシターを用いた分子間相互作用解析を実施し、受容体タンパク質候補を選抜する。また、遺伝子発現解析の実施および組換え植物を作出することで、受容体候補の植物個体における機能を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は研究費の主にリアルタイムPCRを新規購入と消耗品費に使用する予定である。
|