2013 Fiscal Year Research-status Report
空間スケールの階層性と生物群集・生態系研究:島嶼のため池群を用いて明らかにする
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24770022
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土居 秀幸 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 特任講師 (80608505)
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Keywords | 群集生態学 / 環境DNA / 食物網 |
Research Abstract |
前年度(24年度)に引き続き,広島県の島7つと本土7地域において,70個のため池において,季節的(年2回,春,秋)に各調査区域にて調査を実施した。また,それらのプランクトン,水質,クロロフィル量などのサンプルについて同時に分析を行った。また25年春には,調査域を広げて,しまなみ海道にある島々(佐木島,大三島,向島,生口島,因島)5つを新たに選定して,25個のため池にて,同様に調査を行った。これらの調査地は既存の70個のため池から更に調査範囲を広げるものであり,次年度これらのさらに統合的に解析する予定である。25年度は,安定同位体比測定による食物網構造解析に重点をおいて研究を進めてきた,安定同位体比サンプルは,動物プランクトンや植物プランクトン(POM)をサンプルから取り出して,UC DavidのIsotope labへ分析を依頼した。なおかつ,環境DNAを用いた外来種魚類(ブルーギル,オオクチバス)の分布推定を行った。各ため池から1Lの水を採水し濾過した。その濾過したフィルターからDNAを抽出して,種特異的なミトコンドリアDNAチトクロームB領域のプライマー・Taqmanプローブセットを用いて,リアルタイムPCR以外はにてそれらの種特異的なDNAの量を定量した。これらの成果については,環境DNAを用いたブルーギルのため池での分布解析と,実際の目視データとの比較についての解析結果の一部をPLOSONE誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
各ため池での群集調査,安定同位体による食物網調査のみならず,環境DNAを用いた魚類相の解析を行っており,当初の予定よりも当たらな研究内容が加わっており,当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこれらのサンプルの分析と結果の解析を行い,学術論文として投稿,発表する予定である。また環境DNAについては,さらに多種への拡張や,サンプリング方法などの詳細な調査手法の検討を行い,さらに汎用的に使える技術としての確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査についての旅費などを節約できたため,次年度の分析費に回すため。 次年度の生物サンプル,水質サンプルなどの分析費として使用予定である。
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Research Products
(8 results)