2012 Fiscal Year Research-status Report
植物の栄養素シグナリングと代謝ネットワークの統合的解析
Project/Area Number |
24770035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 長緒 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50609724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境ストレス適応 / 栄養素代謝 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究では「植物の栄養素シグナリングと代謝ネットワークの統合的解析」を目指し,炭素/窒素栄養バランス(C/N)に応じた1)定量的リン酸化プロテオーム解析,2) メタボローム解析,3) C/N代謝酵素群の活性プロファイルの3研究課題を実施する。 当該年度は,1)定量的リン酸化プロテオーム解析,2) メタボローム解析について中心的に進め,意義のある実験結果を得ている。リン酸化プロテオームでは,C/Nストレスに応じて炭素・窒素基幹代謝に関わる鍵酵素群のリン酸化状態の変動およびそれに付随した活性制御因子14-3-3タンパク質との相互作用の変動を検出した。14-3-3が多くの代謝酵素群と相互作用することは分かっていたが,それが栄養素環境に応じてどのように制御されているかに関する知見はほとんどなく,今回の結果はリン酸化および14-3-3相互作用の生理的な意義を知る上で重要な情報となる。また,代謝酵素だけではなく,タンパク質リン酸化キナーゼやユビキチンリガーゼといったシグナル伝達因子に関してもリン酸化の変動を検出しており,細胞内の栄養素シグナル伝達ネットワークの構成因子として注目している。これらの結果に加えて,C/Nに応じた実際の代謝物変動に関してもメタボローム解析の結果を得ている。これらのリン酸化シグナルと代謝変動データを基に,C/N応答の鍵となりうる酵素群に関して実際の活性制御プロファイルを行うことで,栄養素環境に応じた代謝制御ネットワークの全容解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの研究課題のなかでも中心になるリン酸化プロテオーム解析に関して,網羅的かつ精度のよい実験データが得られた。また,リン酸化と関連の深い14-3-3相互作用因子解析に関しても研究が進展している。メタボローム解析に関しても予備データの取得済みで,現在追加のメタボローム解析の条件検討中である。これらのデータから,H25年度の中心となる代謝酵素群の活性変動およびその制御メカニズムの解析に関する準備がほぼ整った。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に得られた,リン酸化シグナル変動と代謝物量の変動データを基に,炭素・窒素基幹代謝の鍵となる酵素群に関して実際の活性制御プロファイルを行う。C/Nに応じた酵素活性の変動を検証するのに加えて,それに関わるタンパク質レベルでの活性制御メカニズムに関して詳細な解析を行う。これらのリン酸化シグナル伝達から代謝酵素の活性,代謝物変動に関するデータを統合的に解釈することで,植物の有する優れた栄養素環境適応を担う代謝制御ネットワークの包括的理解を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度中に納品したが,支払が次年度以降になったため物品購入(PCRチューブ,試薬,カバーガラス)の支払に使用する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The Arabidopsis ubiquitin ligases ATL31 and ATL6 control the defense response as well as the carbon/nitrogen response.2012
Author(s)
Maekawa, S., Sato, T., Asada, Y., Yasuda, S., Yoshida, M., Chiba, Y. and Yamaguchi, J.
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Journal Title
Plant Mol. Biol.
Volume: 79
Pages: 217-227
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Arabidopsis RPT2a, 19S proteasome subunit, regulates gene silencing via DNA methylation.2012
Author(s)
Sako, K., Maki, Y., Kanai, T., Kato, K., Maekawa, S., Yasuda, S., Sato, T., Watahiki, M.K. and Yamaguchi, J.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 7
Pages: e37086
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Sugar-inducible RPT2a, a subunit of 26S proteasome, participates in sugar response in Arabidopsis.2012
Author(s)
Sun, H., Sako, K., Suzuki, Y., Maekawa, S., Yasuda, S., Chiba, Y., Sato, T. and Yamaguchi J.
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Journal Title
Plant Biotech.
Volume: 29
Pages: 279-284
DOI
Peer Reviewed
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