2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24770048
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
宮崎 さおり 国立遺伝学研究所, 実験圃場, 助教 (40390687)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
24年度予定していた研究計画、MEL2遺伝子のタンパク質局在の同定のためのGFP融合タンパク質発現のコンストラクトの作成、形質転換と観察、またMEL2プロモータGUSコントラストの作成、形質転換と観察などを全て遂行した。しかしながら、GFP融合タンパク質の形質転換体において、RNAの発現は起こっているが全長のタンパク質は発現しておらず、タンパク質の分解や修飾が起こっていることが示唆された。そのことを検証し、MEL2タンパク質のプロセッシングがいかにその機能に関係しているかを明らかにする必要性が生じ、抗体作成を試みた。抗体作成はタンパク質の分解を検出できるように、RRM領域と、C末にあるRINGモチーフの更に外側をターゲットにして2カ所行った。現在抗体によるMEL2タンパク質の検出を検証している。抗体がうまく機能すれば、25年度に予定していた免疫沈降実験なども滞り無く遂行可能であると考えている。MEL2はRRMとRINGフィンガーもチーフ、アンキリンリピートを一つのタンパク質にコードする単子葉特異的なタンパク質である。3つのモチーフがどのように協調的に働き植物の減数分裂に機能するのかは未だ不明であるが、MEL2の活性とプロセッシングの過程を明らかにすることによって新たな知見を得ることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MEL2GFP融合タンパク質の形質転換体がRNAとしては発現するがタンパク質では発現しないことが分かり、予定していたタンパク質の局在解析は遅れている。しかしながら、この観察により、新たに、MEL2が生殖細胞以外では分解やプロセッシングを受けている可能性が示唆された。そこで、その可能性を検証するために、予定外であった抗体の作成を行った。ただし、抗体が巧く機能すれば、局在観察、免疫沈降実験など当初予定していた実験はすべて遂行可能であり、新たにMEL2の活性に翻訳後のプロセッシングなどが関与していることが示唆されたことから、当初の予定からは遅れたものの、植物の減数分裂に新しい知見を与えることになると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新しく作成した抗体の検証をすすめ、MEL2タンパク質の分解、修飾に関して明らかにする。また25年度予定していたようにMEL2タンパク質と相互作用するタンパク質の同定のために免疫沈降実験を行う。 更に25年度は、抗体を用いて24年度に予定していたMEL2タンパク質の細胞内局在を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
局在解析が予定どおり遂行できなかったために、それに係る研究費が多少残った。新たに抗体を作成したことにより、抗体の検証などのためのタンパク質実験が必要となる。そのために研究費を使用する予定である。24年度遂行できなかった局在解析を25年度に行うためにも研究費を使用する。更に、当初予定していたように免疫沈降実験、またその代替のアイデアとしての公募のtwo-hybrid実験などに研究費を使用する。 24年度はイネの日中間シンポジウムに参加予定であったが、日中関係の悪化に伴ってシンポジウムが中止になったため、その分の研究費が残った。国内学会やシンポジウムの参加のために25年度は使用予定である。
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