2013 Fiscal Year Research-status Report
茎頂と根端の両メリステム形成を制御する新規因子の解析
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24770049
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
寿崎 拓哉 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 助教 (40575825)
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Keywords | 茎頂メリステム / 根端メリステム / ミヤコグサ |
Research Abstract |
高等植物が正常な形態形成を行うためには、茎頂と根端にそれぞれ存在する細胞群であるメリステムにおいて未分化細胞の増殖と分化のバランスが適正に制御されることが必要不可欠である。これまでのメリステムの研究では、各メリステム形成に着目した研究に加え、近年ではその共通性を解析する研究も行われているが、特に後者に関しては未解明な点が多い。本研究は茎頂と根端の両メリステムの維持制御に関わる新規遺伝子の解析を行い、各メリステムの維持機構やその共通性に関して新たな知見を得ることを目的にしている。 H25年度は、茎頂と根端の両メリステムの維持制御に関わるミヤコグサの新規遺伝子であるLOSS OF APICAL MERISTEMS ACTIVITEIS (LAM)遺伝子の分子遺伝学的な解析を行った。lam変異体では、茎頂と根端の両方のメリステム活性が発生早期に停止する特徴的な表現型を示す。lam変異体の根の詳細な観察から、lam変異体の根は短小化するだけでなく、放射方向に根の細胞層が増加している可能性が示唆された。また、lam変異体では茎頂メリステムの維持が異常になるのに加えて、発芽後6ヶ月以上が経っても、生殖生長に転換しないことから、栄養生長から生殖生長への転換におけるLAM遺伝子の関与が示唆された。さらに、H25年度は lam変異体の原因遺伝子を特定するために、解析する個体数を増やしたファインマッピングを行うことで、さらにその領域の絞り込みを試みた。最終的に絞り込んだ領域に座乗し、候補となりそうな遺伝子についてシークエンスによる変異箇所を同定することを試みたが、変異を検出するには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変異体の表現型解析において、一定の進展がみられたものの、原因遺伝子の特定には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーを用いたゲノムリシークエンスを行い、変異体の塩基置換を網羅的に同定し、原因遺伝子の早期特定を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進展にやや遅れがみられたため、予定していた物品の購入もそれに伴い遅れた。 研究の遅れを取り戻すために、技術支援員を雇用経費に充て、研究を勢力的に進める。
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