2013 Fiscal Year Annual Research Report
共生体感染により変動する共生遺伝子制御ネットワークの解明
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24770050
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
武田 直也 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 助教 (60571081)
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Keywords | アーバスキュラー菌根共生 / 根粒共生 / ミヤコグサ / 植物微生物相互作用 / トランスクリプトーム解析 |
Research Abstract |
植物の生育促進に大きく貢献するアーバスキュラー菌根共生(以下、菌根共生)と根粒共生において、共生菌の感染不全を示す変異体cerberus, nsp1の表現型解析から明らかとなった菌根共生と根粒共生における共通機構について報告を行った。 これらの変異体の共生時、非共生時におけるトランスクリプトーム解析から、両共生変異体においてジベレリン(GA)合成遺伝子群の発現異常がみられた。このことから、両共生体が示す菌根菌感染阻害表現型とGAシグナルとの関連が示唆され、GAの菌根共生における機能解析を行った。その結果、菌根共生においてGA合成促進と濃度上昇がみられ、宿主根内での菌糸の分岐促進に貢献することが分かった。これまでの研究でGAは共生菌の感染において負の作用を持つことは知られていたが、本研究ではGAが共生において正の作用も持つという新たな側面が明らかとなった。さらに、共生遺伝子発現の抑制あるいは促進・維持することで、表皮においては負の作用、皮層においては正の作用をもつことを示した。 菌根共生遺伝子プロモーターのシス領域に結合する因子RAMI1の解析では、発現抑制変異体、破壊株を取得し、ホモログRAMI2とともに、これらの表現型解析を中心に解析を行った。現在のところ、菌根共生においては明確な表現型は得られていない。これはこれらの2つのホモログによる遺伝子重複が原因であることが考えられるが、一方、根粒共生においては明確な根粒形成の阻害がみられ、RAMIの根粒共生への関与が示唆された。そのため、菌根共生とともに根粒形成における機能も見据えた解析を行っている。また、転写因子であるNSP1とともにRAMI1の次世代シーケンスを用いたChipSeq解析を行っており、これらの転写因子により制御される遺伝子群の特定と、網羅的な転写制御ネットワークの解析を行っている。
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[Journal Article] TOO MUCH LOVE, a novel kelch repeat-containing F-box protein, functions in the long-distance regulation of the legume-Rhizobium symmbiosis.2013
Author(s)
Takahara M, Magori S, Soyano T, Okamoto S, Yoshida C, Yano K, Sato S, Tabata S, Yamaguchi K, Shigenobu S, Takeda N, Suzaki T, Kawaguchi M.
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Journal Title
Plant Cell Physiology
Volume: 54
Pages: 433-447
DOI
Peer Reviewed
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