2013 Fiscal Year Annual Research Report
革新的単分子スペックル解析によるアクチン繊維流動の可視化解明
Project/Area Number |
24770056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山城 佐和子 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00624347)
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Keywords | 単分子スペックル法 / 一分子イメージング / アクチン / 細胞運動 / 計測生物学 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
アクチン線維は動的に崩壊・再編成され、様々な細胞現象で”骨組み”として働く重要な細胞骨格を構成する。アクチン細胞骨格の動態はこれまで培養細胞内でアクチン単分子スペックル解析により可視化され多くの知見が得られて来た。一方、ほとんどのアクチン細胞骨格は3次元立体構造であり、スペックル解析の3次元空間への発展は必須であるものの、未だ技術的に非常に困難である。本研究では、従来のアクチン単分子スペックル解析を改良し、多様なアクチン細胞骨格構造におけるアクチン動態の可視化解析を目的としている。 昨年度の研究で、蛍光標識試薬DyLight-549で標識したアクチンを用いた新しいアクチン単分子スペックル顕微鏡法を開発した。新・単分子スペックル法では、計測の時空間分解能が大幅に改良された。特に、近年開発されたスペックルトラッキングソフトウェア(SpeckleTracker J) を応用することにより、約±8 nm 誤差範囲内の超解像度でアクチン一分子の細胞内位置決定が可能になった。 本年度は、新・アクチン単分子スペックル解析を用いて、培養繊維芽細胞におけるII型ミオシン阻害剤 blebbistatin のアクチン線維流動への影響を明らかにした。また、細胞―基質間接着(接着斑)がアクチン流動の速度と方向をサブミクロンスケールで複雑に変化させることを見出した。興味深いことに、接着斑前方では、アクチン線維は接着斑に集まるように速いスピードで流動した。この現象は、接着斑が周りのアクチンネットワークに作用し、自身の方向に流動を変化させていることを示唆する。細胞は、接着斑―アクチン流動相互作用を調節して、接着斑におけるメカノセンス機構の活性を制御している可能性がある。これらの研究成果は、Molecular Biology of the Cell 誌に論文発表した。
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Research Products
(3 results)