2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24770058
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀口 涼 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (70452969)
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Keywords | 性転換 / 性決定 / 性分化 / 生殖腺 / 精巣 / 卵巣 / 性的可塑性 / ミツボシキュウセン |
Research Abstract |
本研究では、雌性先熟魚であるミツボシキュウセンの性転換初期の生殖腺に発現するgsdfに焦点をあて、性転換というユニークな性決定機構とその根底にあると考えられる生殖腺の性的可塑性を分子レベルで理解することをめざしてきた。これまで本研究で、性転換初期に活発に増殖する生殖原細胞が精子の起源であり、それらの細胞はgsdf陽性の未分化支持細胞に取り囲まれていたことから、gsdfが生殖原細胞の増殖や雄化に関与する可能性を示してきた。 今年度は、まず、生殖腺培養系を用いたgsdfの機能解析を行うためのリコンビナントタンパク質の作成を試みた。数種の大腸菌株およびベクターについて条件検討した結果、His融合タンパク質において多少の発現がみられたが、目的の収量は得られなかった。現在、更なる条件検討を進めている。次に、内在性のgsdfの機能阻害に利用するためのペプチド抗体を作成した。抗血清からポリクローナル抗体を精製し、ウエスタンブロットを行ったところ、得られた抗体がリコンビナントgsdfと、生殖腺の抽出液において内在性gsdfをシングルバンドとして検出することを確認した。今後、このポリクローナル抗体がgsdfの機能阻害に利用可能か検証していく。 また、gsdfの発現調節メカニズムを明らかにするために、ミツボシキュウセンのゲノムからgsdfの上流域の約3kbを単離し、in silicoの転写因子結合部位の検索を行った。その結果、開始コドンの上流500bpの領域に、他魚種のgsdfプロモーターにも保存されるSF-1やGATAの結合配列が確認された。しかしながら、検索した約3kbの領域にエストロゲン応答配列はみつからなかった。これまでの研究結果から、ミツボシキュウセンのgsdfの転写調節にエストロゲンが抑制的に関与すると想定していたが、その他の可能性も含めて、更なる解析が必要とされる。
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Research Products
(1 results)