2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24770063
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
木村 哲晃 基礎生物学研究所, IBBPセンター, 特任助教 (60465250)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臀鰭鰭条 / QTL解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに異なる地域集団に由来する近交系Hd-rRII1及びKaga系統の掛け合わせと観察から、臀鰭鰭条の本数は臀鰭の前後軸長および鰭条同士の間隔という異なる二つの形質により規定されることを発見した。これを確認するために、Hd-rRII1系統を用いて薬剤処理により脊椎融合を人為的に誘導し、体長を短くする実験を行った。その結果、臀鰭の前後軸長も体長に伴って短縮し、臀鰭鰭条数は統計的に有意に減少した。また、孵化後にHd-rRII1を通常の26度で飼育するグループ(コントロール)と16度で飼育するグループ(低温飼育)の二集団に分け成魚の時の臀鰭鰭条数を計測した。低温飼育したHd-rRII1のグループでは臀鰭鰭条数が増加しており、鰭条間隔を計測するとコントロールの集団より優位に間隔が狭くなっていた。このことから臀鰭の鰭条数は“臀鰭の前後軸長”及び“鰭条間隔”という二つの形質からなることを証明した。 fs変異体は背鰭と臀鰭の鰭条を裏打ちする担鰭骨が鰭の基底部で融合してそれぞれの鰭が前後軸方向に短くなる変異体である。これは担鰭骨のパターンが乱れていると解釈できる。担鰭骨のパターンはそのまま鰭条に引き継がれるため、結果として鰭条のパターンも乱れる。これまでに、どの染色体にfsの原因遺伝子があるかを決めるために96個体(変異体48個体、同腹子野生型48個体)を使ったバルクセグリゲーション解析の解析を行い、fs遺伝子は3番染色体上にあることが初めて明らかになった。
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