2013 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーにおけるAtg12-Atg5結合体の作用機構の解明
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24770092
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中戸川 万智子 東京工業大学, フロンティア研究機構, 先進研究員 (90402461)
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Keywords | オートファジー / ユビキチン様タンパク質 / E3酵素 / 構造変化 |
Research Abstract |
オートファジーは細胞内の主要な分解システムの一つであり、その過程には、被分解物を包み込む二重膜胞「オートファゴソーム」の新規形成が含まれる。本研究では、オートファゴソームの膜形成を駆動するユビキチン様タンパク質Atg8の脂質化反応のメカニズムの解明を通して、オートファゴソーム膜の形成機構を明らかにすることを目的とした。 本研究において、Atg8の脂質化反応のE3酵素として働くユビキチン様タンパク質Atg12-Atg5結合体が、E2酵素Atg3の活性中心に構造変化を引き起こして、そのE2活性を上昇させることを、生化学的解析によって明らかにした。さらに、Atg12-Atg5のE3酵素触媒機構の全体像を明らかにするため、Atg12-Atg5とAtg3の複合体の結晶構造解析に取り組んだ。Atg12-Atg5およびAtg3を高い精製度で精製することに成功し、結晶化条件のスクリーニングを行ったが、結晶は得られなかった。 平成25年度は、前年度に引き続き、Atg12-Atg5とAtg3の複合体の結晶化に取り組んだ。Atg3の全長では結晶が得られなかったため、Atg3の保存性が低い領域を欠失した変異体を用いた。欠失領域を変えた数種類のAtg3変異体で結晶化を試みたが、そのいくつかで微結晶を得るに留まった。Atg12-Atg5とAtg3の相互作用は、一時的であるか、非常に弱いことが予想されたため、Atg12-Atg5とAtg3を化学架橋剤で固定化する方法を試した。ヒトのAtg12とAtg3のペプチドの共結晶構造を参考にして、Atg12とAtg3の相互作用に関わるアミノ酸残基をシステイン残基に置換し、化学架橋剤で処理することで、Atg12-Atg5とAtg3の架橋産物を得ることに成功した。現在、架橋効率を上昇させるための条件検討を行っている。
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