2013 Fiscal Year Research-status Report
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24770096
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
溝端 栄一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90571183)
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Keywords | 構造生物学 |
Research Abstract |
植物の二次代謝物の生合成を担う酵素の多くは、単独では反応速度が極めて遅い上、細胞中の基質濃度も低いために触媒効率が悪いことが多い。特に、フラボノイド系化合物は7,000以上もの分子種が知られているが、これらの生合成を担う酵素は、メタボロンと呼ばれる蛋白質複合体を形成して、低濃度の出発物から最終生成物への平行を右に傾け、効率的な二次代謝物の生合成を達成していると考えられている。フラボノイド・メタボロン複合体の構造解析を行うには、その前に、予め、メタボロン構成要素の各蛋白質の単独での構造解析を先に行うことが近道である。平成25年度は、ブドウ(Vitis vinifera)のフラボノイド・メタボロンにおいて中間反応を担うフラボノール合成酵素1(VvFLS1)に着目した。本酵素は単独でも機能を有し、ジヒドロフラボノールを基質として、フラボノールを生成する反応を触媒する。 本年度は、VvFLS1の反応機構および基質特異性の構造基盤を解明するため、次の結晶構造の解析を試みた:①VvFLS1とケルセチンの複合体、②VvFLS1とケムフェロールの複合体。その結果、いずれも結晶化に成功した。しかし、SPring-8の放射光を用いて回折強度データ収集を試みたが、構造解析に必要な良好なデータセットの収集には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VvFLS1の結晶の調製には成功したが、構造解析に必要な高分解能のX線回折データの収集が可能な結晶が得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、リガンドの種類を変えることを含め、多くの結晶化条件を検討し、高分解能の回折を与える結晶の作成に尽力する。
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Research Products
(1 results)