2013 Fiscal Year Annual Research Report
SH3YL1による細胞膜形態制御機構とエンドサイトーシス機構への関与の解析
Project/Area Number |
24770098
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 純矢 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (00533788)
|
Keywords | イノシトールリン脂質 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規の脂質結合ドメイン(SYLFドメイン)を有するSH3YL1のエンドサイトーシス経路への関与ならびにin vitroで観察されたリポソームを小さくするSYLFドメインのvesiculation活性の生理的意義を見出すことである。当該年度に実施した研究は、主にエンドサイトーシスにおける機能解析であり、その具体的内容を下に記す。 SH3YL1-GFPの細胞内局在を観察したところ、初期エンドソーム近傍でドット状の局在が認められたが、エンドソーム及び他のオルガネラマーカーと完全に一致しなかった。また、SH3YL1ノックダウンにおいて、蛍光標識されたEGFの取り込みを観察すると、初期エンドソームから後期エンドソームの輸送が障害されていることが明らかとなった。EGF刺激によるEGF受容体の分解アッセイでも同様に、SH3YL1ノックダウンでその分解が抑制されていた。さらに、Multivesicular body(MVB)形成を模倣する系(Rab5 Q79Lの過剰発現)において、SH3YL1がMVB形成に関わっているか検討した。その結果、SH3YL1ノックダウンでは、コントロールに比べMVB形成が著しく抑制しており、すなわちSH3YL1はMVB形成過程に重要な役割を担っていることが示唆された。今後はMVB形成に関わるタンパク質との関与について検討していく予定である。 以上の結果から、SH3YL1は初期エンドソーム近傍に局在し、MVB形成に関与することでEGF等のエンドサイトーシスを制御していることが明らかとなった。上記の結果は現在投稿準備中である。脂質結合ドメインを有しMVB形成に関わる分子はほとんど知られておらず、本研究によってMVB形成メカニズムの理解がより進むことが期待される。
|