2013 Fiscal Year Research-status Report
In-Cell NMR法を用いたVRK1キナーゼタンパク質の動的構造の解明
Project/Area Number |
24770108
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小柴 生造 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 客員研究員 (70332301)
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Keywords | In-Cell NMR / 19F-NMR / 動的構造 / VRK1 |
Research Abstract |
本研究では,細胞内におけるタンパク質の動的構造を,In-Cell NMR 法と 19F-NMR 法を組み合わせて観測する技術を確立し,これまで in vitro で解析されてきた高次構造レベルでの機能メカニズムを,in vivo の環境下で解明することを目的とする.本研究の平成25年度における研究成果は以下の通りである. 1:平成24年度に引き続いて,In-Cell NMR法における感度の問題を克服するために,様々なアミノ酸標識技術の検討を行った.その結果,高感度19F標識アミノ酸であるトリフルオロメチオニンを,無細胞タンパク質合成系を用いて様々なタンパク質に効率よく導入する技術の開発に成功した.さらに,この19F標識タンパク質を培養細胞に導入して,19F-NMR法で高感度に観測する方法を開発した.現在,より効率的な19F標識タンパク質の導入及び測定条件を検討するため,様々なトリフルオロメチオニン標識タンパク質を合成して細胞内に導入し,NMRスペクトルを測定している.また,トリフルオロメチオニン以外の19F標識アミノ酸や各種安定同位体標識アミノ酸についても,引き続き合成条件を検討している. 以上の成果は,本研究の目的である,生きた細胞内におけるVRK1タンパク質の動的構造を解析する為に必要不可欠な技術であり,本研究の目標達成に向けて大きく前進した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,細胞内におけるタンパク質の動的構造を,In-Cell NMR 法と 19F-NMR 法を組み合わせて観測する技術を確立し,これまで in vitro で解析されてきた高次構造レベルでの機能メカニズムを,in vivo の環境下で解明することを目的とする.平成25年度は,予定通りIn-Cell NMR 法に適したトリフルオロメチオニン標識タンパク質を細胞内に導入し,細胞内環境下におけるタンパク質の19F-NMR測定法を確立した.ただ,細胞内への標識タンパク質の導入方法の最適化に手間取り,最終的な目標であるVKR1タンパク質の機能メカニズムの解析までは至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにIn-Cell NMR 法に最適な19F標識タンパク質の作成に成功し,これら標識タンパク質の細胞内への導入方法を最適化したので,今後は当初の計画通り,標識したVRK1タンパク質を細胞内に導入し,細胞内におけるVKR1の機能メカニズムについてNMRを用いて明らかにする予定である.また,トリフルオロメチオニン以外の各種標識技術の開発も進めており,これらの技術を用いて標識したVRK1を同様に細胞内に導入してNMRで解析することで,細胞内環境下でのVRK1の構造機能変化をリアルタイムで観測する技術を確立する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では平成24~25年度の2年間で,細胞内におけるタンパク質の動的構造を,In-Cell NMR 法と 19F-NMR 法を組み合わせて観測する技術を確立し,これま で in vitro で解析されてきた高次構造レベルでの機能メカニズムを,in vivo の環境下で解明することを目標とした.これまでに,In-Cell NMR 法に最適なトリフルオロメチオニン標識タンパク質の合成法を確立し,実際に細胞内に導入して細胞内における標識タンパク質のNMR測定に成功した.しかし,標識タンパク質の細胞内への導入方法の最適化に時間がかかり,当初の目標であるVRK1タンパク質の細胞内における動的構造の解明は遅れている.このため,次年度にVRK1タンパク質の解析をする必要が生じたため,次年度使用額が発生した. 次年度は,これまでに確立した19F標識タンパク質の合成法やそれにあわせたIn-Cell NMR法をさらに発展させると共に, VRK1タンパク質の各種安定同位体標識体を細胞内に導入してNMRで解析することで,本研究計画の目標であるVRK1タンパク質のIn-Cell NMR法による細胞内における動的構造の解明を進める.次年度使用額は,本研究計画の遂行に必要な細胞培養試薬類や各種安定同位体標識試薬,また成果発表に必要な経費に主に充てる計画である.
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