2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24770110
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
直江 洋一 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 特別研究員 (70464146)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | X 線結晶構造解析 / 膜タンパク質 / ヘム |
Research Abstract |
鉄はすべての生物に必須の元素であり、病原菌においてはヘムトランスポーター (以下 HT) を用いて感染した宿主のヘム (鉄-ポルフィリン錯体) を取り込み鉄源として利用している。本研究は、病原菌の鉄獲得能を理解することを目的とし、HT がどのようにヘムを認識し、その後どのように解離するのかを X 線結晶構造解析を用いて明らかにする。 すでに得られている HT の結晶の分解能向上のため、HT をノニルグルコシド (NG) という界面活性剤で精製、結晶化を行った。その結果、申請時に 5.0 ~ 4.1 オングストロームだった HT 結晶の分解能を 3.5 オングストロームまで上げることに成功した。さらなる結晶の分解能向上のためオクチルグルコシド (以下 OG) という界面活性剤での精製を試みた。試行錯誤の末、スクロース等の添加材を加えることで OG を使った精製に成功し、結晶化にも成功した。またヘムが結合していると思われる色のついた HT の結晶化にも成功した。これは HT がどのようにヘムを認識しているのかを明らかにするために重要な結晶である。さらに、これら得られた結晶の構造解析のために必須となる SeMet 誘導体の調製にも成功した。 HT の一部でヘムを捕獲する可溶性のタンパク質 PP (Periplasmic protein) の結晶構造解析も同時に進めており、PP が ヘムを 1 つ結合している状態と 2 つ結合している状態のそれぞれの構造解析にも成功した。さらに HT からヘムを受け取る細胞内タンパク質 HmuS の発現と精製にも成功した。HmuS の精製に成功したため HT によるヘム輸送活性測定が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HT の結晶の分解能が 3.0 オングストロームを切ることに難航している。一方でヘムが結合していると思われる色のついた HT の結晶が得られるなど、当初の予定を上回る進展もあったことから上記の自己評価にした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られている結晶化条件を基に、クライオプロテクタント等の条件検討、基質アナログである AMP-PNP 等との共結晶化等を行い分解能の向上を試みる。また、共同研究先である島根大学医学部から抗 HT 抗体が届いているので抗体との共結晶化も並行しながら分解能の向上を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)