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2013 Fiscal Year Annual Research Report

病原菌による鉄の取り込み機構の分子論

Research Project

Project/Area Number 24770110
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

直江 洋一  独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 特別研究員 (70464146)

Keywordsヘム / 膜タンパク質 / ABC トランスポーター / 結晶
Research Abstract

鉄はすべての生物に必須の元素であり、病原菌においてはヘムトランスポーターを用いて感染した宿主のヘム (鉄-ポルフィリン錯体) を取り込み鉄源として利用している。本研究は、病原菌の鉄獲得能を理解することを目的とし、ヘムトランスポーターがどのようにヘムを認識し、その後どのように解離するのかを X 線結晶構造解析を用いて明らかにする。
前年度に得られた 3.5 オングストローム分解能のヘムトランスポーターの結晶について分子置換法による位相決定を試みた結果、主鎖を何とか認識できる電子密度を得ることに成功した。しかしヘムトランスポーターによるヘムの認識と解離の機構を明らかにするためには、側鎖の構造情報が必要であり、今後はさらなる分解能の向上を目指す必要がある。
ヘムトランスポーターの一部でヘムを捕獲する可溶性のタンパク質 PP (Periplasmic protein) の結晶構造解析について。前年度に得られた回析データを解析した結果、PP はヘムを 2 つ結合する場合には、Tyr 残基と His 残基を使うのに対し、ヘムを 1 つ結合する場合には、Tyr 残基のみを使っていることが分かった。このことは PP はヘムを結合する際に、Tyr と His を等価に用いているのではなく、Tyr で 1 つ目のヘムを認識した後に 2 つめのヘムを His で認識している可能性を示唆する。また最近、ヘムと結合していない状態の PP の結晶化にも成功した。
プロテオリポソームにおいて様々な添加物を加えてヘムトランスポーターの ATPase 活性を行った結果、過剰量のヘムはヘムトランスポーターの ATPase 活性を阻害することが分かった。これは過剰量のヘムの取り込みから細胞を守るための機能の 1 つである可能性があり、今後の変異体実験等が望まれる。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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