2013 Fiscal Year Annual Research Report
生理的な神経支配下での骨格筋アクチン線維形成の動態制御機構
Project/Area Number |
24770118
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高野 和儀 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (60466860)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 筋原線維形成 / アクチン重合 / 神経支配 / 筋肥大 |
Research Abstract |
骨格筋や心筋といった横紋筋は,呼吸や運動,心臓の拍動など生命の維持に必須の役割を果たしている。これまでの研究によりインスリン様増殖因子(IGF-1)によって引き起こされる骨格筋の肥大がN-WASP-nebulinを介する筋原線維Z帯からのアクチン線維形成と連動することを明らかにしてきた。一方,除神経などにより引き起こされる筋萎縮ではIGF-1の作用があっても骨格筋は萎縮する。そこで本研究では,神経支配がIGF-1による筋肥大を制御する可能性について検討した。まず,マウス骨格筋の除神経を坐骨神経切除により行った。その結果,骨格筋の萎縮を認めた。Aktのリン酸化状態についても検討したところ,Aktの局在は筋原線維Z帯から変わることはなかったが,除神経を施した骨格筋においてAktのリン酸化が抑制されていることを見いだした。しかし,N-WASPの局在は依然としてZ帯に検出されたことから,神経支配はIGF-1シグナルだけでなく,N-WASPの局在の制御にも影響を与えることが明らかとなった。そこで,神経支配に依らないN-WASPの局在制御を明らかにするため,不随意筋でもある心筋において,N-WASPの局在を確認した。心筋においてもN-WASPは筋原線維Z帯に局在するが,大動脈結紮における心肥大を誘導してもZ帯に局在した。また,N-WASPは心筋特異的nebulinファミリーであるnebuletteと結合し,アクチン重合を引き起こした。しかしながら,心臓にEGFP-アクチンを発現させたところ,アクチンはZ帯に取り込まれたものの,少なくとも数日の生理的条件では伸長しなかった。したがって,除神経骨格筋および心筋の定常状態におけるN-WASP-nebulette-Lmod2によるアクチン線維形成は抑制性のシグナルなどにより制御されており,とりわけ生理的な心筋においては,N-WASP-nebuletteタンパク質複合体の活性を抑制する機構の存在が示唆された。
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[Journal Article] The nebulin SH3 domain is dispensable for normal skeletal muscle structure but is required for effective active load bearing in mouse.2013
Author(s)
Yamamoto, D. L., Vitiello, C., Zhang, J., Gokhin, D. S., Castaldi, A., Coulis, G., Piaser, F., Filomena, M. C., Eggenhuizen, P. J., Kunderfranco, P., Camerini, S., Takano, K., Endo, T., Crescenzi, M., Luther, P. K., Lieber, R. L., Chen, J., and Bang, M. L.
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Journal Title
J. Cell Sci.
Volume: 126
Pages: 5477-5489
DOI
Peer Reviewed
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