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2012 Fiscal Year Research-status Report

細胞内ヘム輸送メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 24770121
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

植田 亮  東京大学, 医科学研究所, 助教 (10445025)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsヘム / 出芽酵母
Research Abstract

本研究では、真核生物におけるヘムの細胞内輸送メカニズムの理解を目指し、ヘムの輸送に関与する因子の同定と機能の解明を進める。
本年度は、出芽酵母を用いてヘム輸送経路に異常のある変異株のスクリーニングを行った。紫外線照射により作製した変異出芽酵母ライブラリーより、ヘムの合成は正常に行われるが、ヘム結合によって活性化する核内の転写因子Hap1が活性化しない、ヘム輸送経路に異常のある可能性が示唆される2つの変異株xとyを取得した。遺伝学的解析により、いずれの変異体においても、ヘム輸送異常の表現型は劣性であり、1遺伝子に起因することが明らかとなった。変異株x、yはそれぞれ遺伝子XとYに変異を有しており、XとYの遺伝子導入によりヘム輸送異常の表現型が回復した。また、野生株への遺伝子XまたはYの変異導入により、細胞はヘム輸送異常の表現型を示した。以上の結果より、変異株xおよびyの責任遺伝子がそれぞれXとYであることが明らかとなった。
変異株xはミトコンドリア内で合成されたヘムは利用できないが、細胞外に添加したヘムは利用できたため、ミトコンドリアで合成されたヘムを細胞質に排出する機能が低下していると考えられた。遺伝子Xは核に局在する転写調節因子であり、ヘム輸送関連因子が標的遺伝子に含まれる可能性が予想された。一方、遺伝子Yは機能未知の細胞質局在タンパク質をコードしていた。変異株yはミトコンドリア内で合成されたヘム、細胞外に添加したヘムのいずれも利用できなかったため、遺伝子Yは細胞質におけるヘム輸送に関与する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の研究計画のうち、ヘム輸送関連因子の候補遺伝子を同定し、その変異株の表現型や遺伝子産物の既知情報より細胞内ヘム輸送における機能を予測することができたが、大規模スクリーニングの実施によるさらに多くの候補遺伝子の同定まで至らなかったため。

Strategy for Future Research Activity

同定したヘム輸送関連候補因子の予想される機能に従って、出芽酵母、および高等真核細胞を用いてヘム輸送における役割を解明する。前年度未了であったヘム輸送関連因子の大規模スクリーニングを実施し、ヘム輸送関連因子の網羅的な同定を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度未了であったヘム輸送関連因子の大規模スクリーニングを、本年度の研究費を使用して実施する。その他の研究計画に特筆すべき変更はない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Iron-induced dissociation of the Aft1p transcriptional regulator from target gene promoters is an initial event in iron-dependent gene suppression.2012

    • Author(s)
      植田亮、藤原奈央子、岩井一宏、岩井裕子
    • Journal Title

      Molecular and Cellular Biology

      Volume: 32 Pages: 4998-5008

    • DOI

      10.1128/MCB.00726-12

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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