2013 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プロテオミクスによる新規mTOR下流候補分子群の網羅的同定と機能解析
Project/Area Number |
24770129
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中津海 洋一 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (20596837)
|
Keywords | シグナル伝達 / mTOR / CCL2 / 血管新生 / 腫瘍随伴マクロファージ |
Research Abstract |
mTORC1キナーゼ阻害剤であるラパマイシンは、その抗がん剤としての作用に注目が集まるものの、mTORC1抑制以下の詳細な作用機序は不明であった。申請者は高感度リン酸化プロテオミクス解析により、のべ20000を超えるリン酸化について解析し、mTORC1キナーゼに制御されるリン酸化を新規に30分子同定した。その中でも転写因子であるFOXK1の活性化を突き止め、その下流で炎症性ケモカインであるCCL2が転写されることが分かった。すなわち新規シグナル経路としてmTORC1-FOXK1-CCL2経路を見出した。この新規経路の重要性を癌の促進の側面から解析した結果、様々な癌で高頻度に見られるmTORC1の異常活性化が、腫瘍随伴マクロファージ (TAM) の浸潤を誘導するという新規の知見を見出した。
|