2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規フォトクロミックATPアナログによるキネシンモーター機能の可逆的な光制御
Project/Area Number |
24770140
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀井 敬 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90450650)
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Keywords | モータータンパク質 / フォトクロミック分子 / ATPアナログ |
Research Abstract |
最終年度である平成25年度においては、平成24年度の実施報告においてに主な課題として挙げた(1)ATPのリボース3'位に特異的にアゾベンゼン誘導体を導入する合成スキームの検討と、(2)平成24年度に論文報告したATP-AzotBuをキネシン以外のモータータンパク質活性の光制御に適用することに取り組んだ。 (1)については、アゾベンゼン誘導体を導入する中間体の合成に成功したが、収率がかなり悪いという問題が生じている。また、合成試薬が高価であるため、本研究予算ではテーマの続行が現実的でないため、新しい研究テーマとして取り組む必要性があると考えている。また、別の合成ルートの検討も必要となる可能性もある。(2)については、東京工業大学資源研資源循環研究施設との共同研究によって、回転モーターであるF1ATPaseの回転運動の光制御に取り組んだ。申請者が合成したフォトクロミックATPアナログを提供し、回転活性(加水分解活性と一分子回転運動アッセイ)実験の結果、ATPに比べて活性はかなり低下するが、加水分解活性と回転運動を確かに観察できることを確認した。また、アゾベンゼン部位がシス体のとき回転活性が高く、トランス体のときに低くなることを明らかにし、F1ATPaseの回転を一分子レベルで光制御に成功した。 研究期間全体としては、本研究の目的であったモータータンパク質・キネシンの運動活性の可逆的な光制御を実現することを達成でき、おおむね順調に研究を遂行できたものと考えている。
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Research Products
(6 results)