2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24770150
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小澤 大作 福井大学, テニュアトラック推進本部, 助教 (60554524)
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Keywords | シャペロン / 蛋白質品質管理 / アミロイド |
Research Abstract |
近年、細胞外における蛋白質の品質管理機構が注目されている。本研究では、細胞外の恒常性維持の一翼を担う細胞外シャペロンによる細胞外蛋白質品質管理機構の研究を行い、血清アミロイドP成分 (serum amyloid P component, SAP) が新規細胞外シャペロンとして生体内でその機能を発揮することを示唆するいくつかの研究成果を得た。SAPは分子量12.7kDaの環状5量体蛋白質であり、全てのタイプのアミロイド沈着部位に共存し、B面がCa2+依存的にアミロイド線維に結合することにより線維構造を安定化し、アミロイド線維形成・沈着を促進することが分かっている。一方その生理機能に関しては、自然免疫活性化などごく一部が解明されたに過ぎない。本研究では、SAPがアルツハイマー病関連Aβアミロイド線維や透析アミロイドーシス関連β2ミクログロブリンアミロイド線維の形成を濃度依存的かつsubstoichiometricに抑制することを明らかにした。この線維形成抑制作用は、一見したところ上記線維形成・沈着促進作用と矛盾している。しかし、この抑制作用がCa2+非依存的にA面を介して発揮される事を示す予備的データを得ており、SAPによるアミロイド線維の細胞毒性減弱効果を示すデータとも合わせ、これまで報告されていないSAPの新規生理機能を示唆する。一方、以前より研究を継続している既知細胞外シャペロンのα2マクログロブリンが、変性蛋白質のリフォールディング活性を持つことを明らかにした。現在、α2マクログロブリンの各ドメインを単離し、アミロイド線維形成抑制能およびリフォールディング能の詳細に迫っている。
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