2012 Fiscal Year Research-status Report
スプライシング依存的な新規ストレス応答機構とその役割の解析
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24770166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二宮 賢介 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00437279)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | RNA / スプライシング / 遺伝子発現制御 / ストレス応答 |
Research Abstract |
真核生物の遺伝子発現において、DNAから転写されたRNAは、様々なプロセシングを経て成熟する。その成熟過程の一つに、蛋白質をコードしないイントロンが除かれるpre-mRNA スプライシングと呼ばれる工程がある。スプライシングの意義として、これまでに選択的スプライシングによる遺伝子産物の多様性の獲得やRNAの品質管理などといった役割が知られている。私たちは、近年、一部の遺伝子のRNAが特定のイントロンのスプライシングを一時的に停止した状態で核内に蓄積し、刺激に応答してスプライシングを完了し成熟するという新しい遺伝子発現誘導機構を見出した。また、その機構が細胞の機能維持にとって重要である可能性を見出した。 本研究課題は、同様の機構によって発現を制御される遺伝子群の網羅的探索、および、その機構による細胞防御機構の解明を目的としており、更には、ストレスによって誘発される疾患の発症メカニズムとの関連を解き明かすことを目指している。 これまでに、イントロンを保持した状態で核内に蓄積しているRNAの網羅的探索を大規模シークエンスによって行い、多数の候補遺伝子を同定した。得られた候補遺伝子群について、実際に核内にイントロンを保持した状態で蓄積しているかをノザンブロット解析、RT-PCR、in situ hybridization等で個別に検証し、それらの多くが実際にイントロンを保持した状態で核内に蓄積していることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた候補遺伝子の数が当初の予想よりも多く、それらの機能もストレス応答にとどまらず多岐にわたっていると考えられるが、その点を除けば、概ね研究計画書に記載の内容通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、前年度のイントロンを保持した状態で核内に蓄積しているRNAの網羅的探索の結果として得られた候補遺伝子群について、個々の遺伝子の機能からそれぞれのスプライシング誘導条件を推定し、分子生物学的、細胞生物学的手法を用いて解析を行う。また、それぞれのイントロンを保持したRNAの細胞機能における役割についても、誘導条件と遺伝子機能から推定し、詳細な解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた候補遺伝子の数が当初の想定よりも多かったため、解析用の試薬、合成DNA、siRNAなどを追加で購入する。また、細胞に対する様々なストレス負荷実験を行う必要が生じたため、そのための少額の実験機器、小型培養装置の購入を計画している。
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