2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24770167
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永森 一平 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20624729)
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Keywords | DNAメチル化 / PIWI / MILI / MIWI2 / piRNA / レトロトランスポゾン / 核膜 |
Research Abstract |
レトロトランスポゾンはゲノムDNAの40%前後を占めており、これらの発現を抑制することは多くの生物種にとって、その生存に必須である。哺乳類では、DNAメチル化がレトロトランスポゾンの抑制に重要な役割を担っていることが報告されている。一端樹立されると安定的に維持される体細胞とは異なり、雄性生殖細胞の分化過程では、胎児期にグローバルなDNAの脱メチル化が起こり、引き続いて再度DNAのメチル化を導入している。この時、レトロトランスポゾンなど、抑制されるべき領域特異的にDNAメチル化を導入する必要がある。遺伝学的な解析から、この生殖細胞特異的な、部位特異的DNAメチル化導入機構に重要な遺伝子として、MiliとMiwi2と遺伝子が報告された。更に次世代シーケンサーを用いた解析等から、MILI、MIWI2は生殖細胞特異的な低分子RNAであるpiRNAと複合体を形成していることが報告された。加えて、MILIは細胞質に局在しているが、MIWI2は核内に移行し、標的となる相補的なRNAと結合することによって、レトロトランスポゾン領域特異的にDNAのメチル化を導入している、と考えられているが、その詳細な分子機構は明らかにされていない。 本研究課題では、MIWI2だけでなく、MILIタンパク質も核内に移行し、部分的に一本鎖RNAを持つ新生RNAを介して、ゲノムDNAと結合していると考えられる。これまでの研究から、Mili欠損生殖細胞でのみ、DNAメチル化に異常がある遺伝子も報告されているため、MILI-piRNA複合体も部位特異的なDNAメチル化に寄与している可能性が考えられた。そこで、我々はMili、Miwi2欠損生殖細胞を単離し、東京農業大学の小林準教授とともに包括的なDNAメチル化の異常を解析している。この解析と既に報告されている胎仔期のpiRNAを解析することによって、生殖細胞特異的な低分子RNAであるpiRNAを介した部位特異的DNAメチル化導入機構を明らかにできると考えている。
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Research Products
(1 results)