2013 Fiscal Year Annual Research Report
緑藻クラミドモナスの翻訳抑制に寄与する新規マイクロRNAの探索とその役割の研究
Project/Area Number |
24770169
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
山崎 朋人 高知工科大学, 工学部, 助教 (70512060)
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Keywords | マイクロRNA / RNAサイレンシング / クラミドモナス / 分子生物学 |
Research Abstract |
次世代シークエンサーを用いたsmall RNAの解析を行い、2つの新規miRNA候補を発見した。ノーザンブロットによりmiRNA候補の野生型株における発現と、RNAi変異株(Mut20株)における消失を確認した後、前駆体をコードするゲノム領域も同定し、これらを新規miRNAと結論づけた。 次に新規miRNA2つと、miRNAと相補性の高い配列をもつ遺伝子を探しだし、合計30遺伝子についてRT-qPCRを行った結果、全ての遺伝子のmRNAレベルの顕著な上昇はMut20株で認められなかった。同様の実験を新たに単離したRNAi変異株(Argonaute3遺伝子欠損株)でも行ったが、同様の結果であった。 解析した遺伝子のいずれかが翻訳抑制の標的であると考え、特に発現量の高いmiRNAに対して相同性の高い配列を持つ遺伝子を2つ選び、それぞれのタンパク質に対するペプチド抗体を作製してウエスタンブロット解析を行った。しかしながら、いずれのタンパク質もRNAi変異株で明確な蓄積量の増加を示さなかった。 そこでルシフェラーゼレポーターを使った人工的な系を構築して解析を行ったところ、それぞれの切断、翻訳抑制のモードはmiRNAの種類によって決まるのではなく、標的配列との相同性、特にmiRNA中央部分の相同性でモードが切り替わることが明らかになった。つまり、RT-qPCRで解析した遺伝子は全て切断されうるタイプであったものの、何らかの原因でmiRNAには効率よく切断されず、翻訳抑制もされないことが後の実験により判明した。 これらの結果を踏まえ、新たに標的候補遺伝子を洗い直して抗体を作製して解析を行ったところ、唯一タンパク質リン酸化酵素がRNAi変異株で30%程度上昇していることを共同研究者との研究で突き止めた。
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Research Products
(6 results)