2013 Fiscal Year Research-status Report
蛍光性温度センサータンパク質の開発と細胞内熱産生の可視化
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24770174
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 雅裕 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (30467617)
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Keywords | 蛍光タンパク質 / 温度 |
Research Abstract |
本研究では1細胞内の温度を高い時間・空間分解能で可視化する技術を開発し、これまで不可能であった細胞内熱産生を直接可視化することを目的としている。そのために以下の3つの課題を遂行している。1)蛍光性温度センサータンパク質の改良・開発、2)細胞の熱産生の可視化、3)神経細胞の発火に伴う熱産生の定量化(ジュール熱仮説の検証) 1)前年度までにレシオメトリックな蛍光性温度プローブを大腸菌からタンパク質を精製し、20℃から50℃に対する温度変化に対する繰り返し性を確認した。今年度は20℃以下の低温領域での蛍光のレシオ変化率を測定した。その結果、5℃から20℃でも有意な蛍光のレシオ変化を観測した。また5℃から50℃に対する温度変化に対する繰り返し性も確認した。これにより植物やメダカなどの1細胞の温度イメージングも期待できる。また本センサーはマグネシウムイオンやカルシウムイオンの濃度により蛍光のレシオ値が変化しないことを確認した。 2)赤外光で1細胞を温めることにより遺伝子発現をコントロールする技術を蛍光性温度プローブと組み合わせて使用することで、入力する赤外光の強さに依存して株化培養細胞に発現した蛍光性温度プローブの蛍光のレシオが変化することを確認した。 3)神経細胞の発火に伴う熱産生を可視化するために、チャネルロドプシンと蛍光性温度センサーを発現した細胞を使って実験を行ったが、有意な温度変化を観察することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光性温度プローブの5℃から50℃に対する温度変化に対する繰り返し性も確認した。また陽イオンに対する感受性もないことを確認でき、本プローブの有用性を示すことができた。また、赤外光で1細胞を温め蛍光性温度プローブと組み合わせて使用することで、入力する赤外光の強さに依存して株化培養細胞に発現した蛍光性温度プローブの蛍光のレシオが変化することを確認した。 一方、神経細胞の発火時の温度変化を本プローブではまだ観測することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した蛍光性温度プローブの有用性を示すデータをさらに取得する。また赤外光で1細胞を温めるシステムと組み合わせた実験系を用いて、定量的なデータ(温度とレシオ値の関係)を取得する。さらに神経細胞の発火によるジュール熱仮説の検証を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額が異なったため。 研究計画に大きな変更はないが、温度プローブの蛍光検出で使用する顕微鏡システムや遺伝子導入系の改善などを行うための試薬を購入する。
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Research Products
(2 results)