2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内高次アクチン構造体の棲み分けを決めるメカニズムの解明
Project/Area Number |
24770175
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 裕昭 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00620204)
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Keywords | アクチン / フォルミン / 細胞骨格 / コフィリン / 螺旋回転 / 螺旋構造 |
Research Abstract |
細胞内でアクチン結合蛋白質は、高次アクチン構造体の形成・崩壊を制御する。だが、どのようにしてアクチン結合蛋白質が、アクチン構造体を棲み分けながら形成・崩壊するのかについては、未だ明らかになっていない。哺乳動物フォルミンmDia1は、前進的にアクチン重合している間、線維構造に沿って回転する(螺旋回転)。私は以前に、ガラス上にmDia1とmDia1が結合したアクチン線維のやじり端側を固定することで、mDia1の螺旋回転が線維のねじれを緩める機構を見出した。本研究ではmDia1の螺旋回転によるねじれ応力が、アクチン脱重合因子コフィリンの結合や線維切断活性に与える影響を調査した。 mDia1によってねじれが緩められたアクチン線維(Stuck F-actin)は、control F-actinや、mDia1が伸長した線維よりも、それぞれ5倍と3倍高い切断抵抗性を示した。またStuck F-actinへのコフィリンの結合は、control F-actinと比べて半分に低下した。これらの結果は、mDia1の螺旋回転が、伸長したアクチン線維にコフィリン抵抗性を付加したことを示している。 N末端側配列を持つmDia1活性化体(mDia1ΔC63)は、細胞内で脱重合抵抗性の高いアクチン線維を多数形成した。細胞内一分子観察から、発現させたmDia1ΔC63は、その半数が細胞膜や他の細胞内構造に結合していた。加えて、mDia1ΔC63は、細胞内でのコフィリンの結合抵抗性のアクチン線維を多数形成した。これらの結果は、N末端を介して細胞構造に結合したmDia1は、コフィリン抵抗性のアクチン線維を形成することを示している。本研究で得られた結果は、アクチン線維の螺旋構造の動的変化が、コフィリンによる選択的なアクチン構造体の崩壊を調節している可能性示している。
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Research Products
(1 results)