2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24770201
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鮎川 友紀 秋田大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (80586165)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 平面内細胞極性 / PCP / 発生生物学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
上皮組織内には、細胞の頂部-基部軸と直交した、組織平面のある特定の軸に沿った極性が存在する。これは平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)と呼ばれ、多細胞生物の様々な組織・器官において観察される普遍的な現象である。 PCPの主要制御因子は機能的な違いから2つのグループに分類されている。申請者は独自に同定したPCP分子Jitterbug(Jbug)の機能解析を行っている過程で、この分子が新たなPCP制御グループ(Jbugグループ)に属する可能性を示唆する結果を得た。本研究では、Jbugの機能解析と共にJbugグループの構成因子の網羅的な同定を試み、この新規グループの構成因子を介した新たなPCP制御機構を明らかにする。 jbugの二つのアイソフォーム、jbug-RLとjbug-RFについて、種々のエピトープタグを付加したこれら分子を異所的に発現誘導可能なトランスジェニック系統(UAS-EGFP::jbug-RF, UAS-EGFP::jbug-RL, UAS-FLAG::jbug-RF,UAS-FLAG::jbug-RL, UAS-HA::jbug-RF, UAS-HA::jbug-RL)の作成を完了した。これらのトランスジェニック系統を用い、jbugアイソフォーム特異的な細胞内局在を解析した。その結果、Jbug-RLとJbug-RFとの間に顕著な細胞内局在の違いは観察されなかった。今後、機能的な差異があるかについても検討を行う。 また、Jbugグループを網羅的に同定するための遺伝学的スクリーニングを完了させ、28個の遺伝子の同定に成功した。今後、jbugの機能解析をさらに進めるとともに、同定したJbugグループ構成因子の分子間ネットワークを構築することで、Jbugグループを介したPCP制御機構の全貌を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書で提案した研究計画について、ほぼ順調に進めており、「研究の目的」を達成することが可能であると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、Jbugグループ分子を網羅的に同定する遺伝学的スクリーニングを予定通り完了させ、28個の遺伝子の同定に成功した。予想していたよりも多くの遺伝子の同定することができたため、追試の実験などに時間を要した。また、Jbugの機能解析の一部分は昨年度未実施となった。本年度は、引き続きJbugの機能解析を行うとともに、本年度予定していた研究計画も遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述したように、予想していたよりも多くの遺伝子をJbugグループ分子として同定することができた。このため、昨年度は、追試の実験などに時間を要し、Jbugの機能解析の一部分が未実施となった。本年度は、Jbugの機能解析の一部分を引き続き行う必要があり、そのための繰越金が生じた。昨年度からの繰越金を合わせ、効率よく実験を進めることで申請書の研究実施計画を予定どおり遂行する。
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