2012 Fiscal Year Research-status Report
ショウジョウバエをモデルとした栄養環境と協調した生殖巣形成の解析
Project/Area Number |
24770203
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐野 浩子 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (90506908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 脂肪組織 / 内分泌 / 生殖巣形成 |
Research Abstract |
本研究は、ショウジョウバエを用いて、栄養環境と協調した生殖巣形成の制御メカニズムを解明することを目的とした解析を行なっている。申請者は平成24年度において、インシュリンペプチド (Drosophila Insulin Peptide 6: Dilp6)および脱皮ホルモンであるエクジソンが、生殖巣において生殖幹細胞ニッチの一部としてはたらくterminal filamentの形成を制御することを明らかにした。Dilp6は主に脂肪組織で合成され、体液中に放出される。申請者は、Dilp6を欠損した突然変異体において、terminal filament形成が阻害されることを明らかにした。生殖巣側でインシュリン受容体を阻害しても同様な表現型が見られることから、脂肪組織由来のDilp6が生殖巣においてterminal filament形成を制御するものと考えられる。エクジソンは、前胸腺で前駆体が合成された後、脂肪組織を含む抹消組織で活性化型である20Eに変換される。申請者は、脂肪組織において20Eへの変換を阻害すると、terminal filament形成が阻害されることを明らかにした。また、生殖巣側で20Eを受容するための核内レセプターを阻害すると、同様な表現型が見られることから、脂肪組織を含む抹消組織由来の20Eがterminal filament形成に関与することが明らかになった。Dilp6は飢餓および20Eによって発現が上昇することから、これらの分子が栄養条件依存的に生殖巣形成を制御すると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生殖巣形成に関与する脂肪組織由来の分子を同定し、それらの機能の一部を明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
生殖巣形成に関与するDilp6および20Eが栄養条件依存的に生殖巣形成を制御するメカニズムおよび生物学的意義を明らかにする。さらに、未同定の因子の関与も予想されるため、脂肪組織由来の分泌因子をRNA-Seq法により同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子機能解析に必要な分子生物学実験試薬および組織化学実験試薬を購入する。RNA-Seq解析の受託解析費、研究資料の輸送費、学会参加のための旅費の支出も予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Isolation of the bioactive peptides CCHamide-1 and CCHamide-2 from Drosophila and their putative role in appetite regulation as ligands for G protein-coupled receptors.2012
Author(s)
Ida T, Takahashi T, Tominaga H, Sato T, Sano H, Kume K, Ozaki M, Hiraguchi T, Shiotani H, Terajima S, Nakamura Y, Mori K, Yoshida M, Kato J, Murakami N, Miyazato M, Kangawa K, Kojima M.
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Journal Title
Front Endocrinol.
Volume: 3
Pages: 177
DOI
Peer Reviewed
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