2013 Fiscal Year Annual Research Report
体幹部組織群の配置転換現象におけるファイブロネクチンダイナミクスの役割
Project/Area Number |
24770215
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 有紀 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (90508186)
|
Keywords | 細胞外基質 / 仮足形成 / 体節 / 内胚葉 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
発生初期の平面的な組織配置パターンから立体的なからだの構造ができる際、各組織の相対的な位置関係が大きく変化する。この現象がどのような細胞生物学的なメカニズムにより制御されているのかは、謎である。このしくみを理解する手がかりとして、本研究では体節―内胚葉―脊索の間隙に分布する、長いファイブロネクチン繊維のパターニングに注目した。前年度までの実験で、モデル動物として用いるウズラ胚の体節・内胚葉の各細胞挙動のタイムラプス観察を行う実験系を確立し、また、ウズラのフィブロネクチン1遺伝子(全長)の単離を行い、ドミナントネガティブ型フィブロネクチンとshRNAコンストラクトを作製した。さらに、EGFP融合フィブロネクチンおよびAlexa488融合フィブロネクチンを作製し、これらをそれぞれウズラ胚内に発現または注入して、体節―内胚葉―脊索の間隙におけるフィブロネクチンの分布パターン変化のタイムラプス観察に成功した。 平成25年度は、前年度に作製した上記ツールを用いて、ウズラ胚の体節―内胚葉―脊索間隙のフィブロネクチンがどの組織に由来し、どのようにして分布パターンを形成するのかを検証した。その結果、(1)フィブロネクチンは内胚葉と体節から供給されること。(2)フィブロネクチンの正常な分布には、体節上皮細胞が基底膜側に伸びる糸状仮足が関わっていること。(3)糸状仮足でのインテグリン受容体、タリンを介したアクチン細胞骨格との相互作用がフィブロネクチンパターンを制御すること。(4)糸状仮足とフィブロネクチン間の相互作用は、体節上皮細胞の伸長に重要な役割を担っていること。以上が明らかになった。
|
Research Products
(5 results)