2014 Fiscal Year Annual Research Report
野生コムギ由来の未同定赤さび病抵抗性遺伝子のゲノム領域の解明
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24780008
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小林 史典 独立行政法人農業生物資源研究所, 作物ゲノム研究ユニット, 研究員 (80584086)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コムギ / 赤さび病 / 6B染色体 / ゲノム / GBS / RW-12 / LrRW12 |
Outline of Annual Research Achievements |
コムギ系統「RW-12」が保有する赤さび病抵抗性遺伝子LrRW12をマップするために、まず「ミヤギノコムギ」(罹病性品種)と「さび系14号」(「RW-12」と「ミヤギノコムギ」との交配より作出された抵抗性系統)との交配から育成したF2集団を用いて、赤さび病に対する抵抗性試験を行った。その結果、抵抗性と罹病性が3:1に分離し、抵抗性が優性の単因子支配であるという過去の報告を確認することができた。次に、次世代シーケンス技術を利用したハイスループットでゲノムワイドなジェノタイピング手法であるGenotyping-by-Sequeincing(GBS)法により、F2集団のジェノタイピングを行った。以上の抵抗性試験とジェノタイピングの結果とを合わせて、連鎖解析を行った。その結果、6B染色体の長腕に相当する連鎖地図上にLrRW12がマップされ、6B染色体長腕に座乗するという過去の報告と一致した。さらに、GBS法によって得られた配列情報と、6B染色体のゲノム解読プロジェクトで構築された物理地図情報から、LrRW12が6B染色体長腕の末端部に座乗することが明らかになり、近傍に位置する3つのBACコンティグ(約4Mbに相当)を特定した。これらのBACコンティグのゲノム配列について、遺伝子アノテーションプログラムのMEGANTEを使って遺伝子予測をしたところ、この領域に少なくとも39個の遺伝子配列があることが明らかとなった。予測された遺伝子配列の中には、ABCトランスポーター遺伝子などの病害抵抗性に関連すると考えられる遺伝子配列が複数見つかり、これらと赤さび病抵抗性との関連が示唆された。
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