2013 Fiscal Year Research-status Report
衛星からの合成開口レーダー観測を利用した東北タイ天水田における水稲生産量の推定
Project/Area Number |
24780012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本間 香貴 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60397560)
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Keywords | 衛星観測 / 国際研究者交流 / インドネシア / ラオス / 水稲 / 生産性 / 移植 / 葉面積 |
Research Abstract |
平成25年度は当初計画したインドネシアに加え,ラオスの衛星画像も入手できたため,研究対象地を2か所とし,主に検証用のデータ収集を中心に研究を進めた. 衛星画像の入手が可能となったインドネシア・チタルム川下流域に相当する地域,およびラオス・ナムグム川流域に相当する地域から,各30筆の農家水田を選定し,水稲の移植日の確認,葉面積計測,収量データの収集などを行った.葉面積計測は衛星との同時観測を実施し,生育期間に約2週間おきの計4回の計測を行った. まず衛星画像の後方散乱係数σの推移から,水田と思われる思われる個所(一度水域と同等のσを示し,その後植物体の散乱によりσが増加するところ)の抽出を行った.その結果抽出された個所は,インドネシアでは水田域とよく対応したが,ラオスでは対応がやや悪く,さらなる検討が必要と考えられた.これはインドネシアでは開発が進み,水田区画が大きく,木などの衛星観測阻害物が少ないのに対し,ラオスの状況は逆であるためだと考えられた.逆にこのことは,インドネシアであっても水田の区画が小さく,他の土地利用と混在する河川の上流域においては,本手法の適用に関してさらなる検討が必要であることを示唆している.こうした問題があるものの調査対象地の水田における実測の移植日と,衛星からの推定値は,両地域において対応が非常によく,本手法により水田と特定できる個所においては,移植日の推定が可能であると考えられた. また,実測値を用いて瘍面積の成長率と水稲収量を比較したところ,密接な関係が得られたため,σを用いて葉面積が推定できれば,収量の推定まで可能であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
タイでの衛星画像の入手が困難となったため,研究の遅延が予測されたが,インドネシアに加え,ラオスの衛星画像が入手でき,一気に研究が進んだため.
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の研究により,対象地域において葉面積の成長率が推定できればある程度の収量予測が可能であることがわかかったため,本年度はσを用いた葉面積もしくはその成長率の推定へと研究を進め,水稲収量予測の可能性について検討を行う.検討の結果をもとに,申請者らが開発したリモートセンシングによる分光反射計測を組み込んだイネの生育・収量予測モデルを,合成開口レーダー技術を組み込んだ物へと改良を行い,その精度を検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究対象地の研究機関(ボゴール農科大学,ラオス国立大学)との共同研究として進めたため,旅費や謝金の削減が可能となったため. 計測のフォローアップとしての渡航を計画しており,ラオスもしくはインドネシアへの渡航費に割り当てる予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Rice-planted area mapping using small sets of multi-remporal SAR data.2013
Author(s)
Miyaoka, K., Maki, M., Susaki, J., Homma, K., Noda, K., Oki, K.
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Journal Title
IEEE Geoscience and Remote Sensing Letters
Volume: 10
Pages: 1507-1511
Peer Reviewed
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