2014 Fiscal Year Annual Research Report
衛星からの合成開口レーダー観測を利用した東北タイ天水田における水稲生産量の推定
Project/Area Number |
24780012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本間 香貴 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60397560)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 後方散乱係数 / 葉面積指数 / 収量 / シミュレーションモデル / 国際情報交換 / ラオス / タイ / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
食糧安全保障などの面から,衛星リモートセンシングを利用した農業生産動向の把握技術の開発が急務とされている.現在,可視光~近赤外領域を利用した研究が進んでいるが,雲により観測回数が限られるという問題を抱えているため,天候に左右されない合成開口レーダー(SAR)を利用した観測が有望視されている.本研究では生産変動が大きい東南アジアにおいて,SAR による観測手法の有効性を検証した. タイ東北部コンケンにて農家圃場の水稲生育関連項目の計測を行いLADERSATによる後方散乱係数σ0との関係を解析した.σ0は水稲草丈との有意な相関が得られたものの,葉面積指数(LAI)や収量などとの相関は低く,栽植方式や雑草などの干渉によるものと考えられた. LAI推定に関しては,COSMO SkyMedのSAR画像を用いてラオスにても検証を行ったが,推定精度は不十分な基準であった.しかしながらσ0の経時的な増加を解析することにより,葉面積増加速度および水稲収量の予測も可能であることを示した. インドネシアおよびラオスにおいては,経時的なSAR画像の推移に基づいて移植日の推定を行い,十分な精度で推定できることを明らかにした.また推定された移植日を用いて稲の生育収量シミュレーションモデルを走らせることによって,水稲の収量も予測可能であることを示した.
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