2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24780015
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山根 浩二 近畿大学, 農学部, 講師 (50580859)
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Keywords | ダイズ / 湿害 / 活性酸素 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
前年度までの試験により、近畿地方で栽培に用いられているダイズ幼植物が湿害を受けると、生育後半に葉の黄化が顕著に早まることが明らかになった。また、湿害直後のダイズ幼植物に活性酸素染色を行うと、対照区と比較して根端部がやや強く染色された。そのため本年度は、生育初期湿害が生育期後半のダイズ子実や根粒に対する影響と、電顕レベルにおける湿害解除後の根端の過酸化水素の局在を調べた。 播種後7日目から7日間湿害を与えた。湿害は、ポットに充填した土壌が完全に湛水状態になるようにして与え、湿害解除後は通常生育に戻した。播種後98日目にサンプリングを行った。地上部乾物重、地下部乾物重、SPAD値、光合成速度、子実数、子実重、根粒数、根粒乾物重の測定を行ったところ、湿害区では子実数と根粒数以外は対照区と比較して減少した。とくに地下部乾物重と根粒乾物重が1%の有意水準で減少した。経時的に測定したSPAD値と光合成速度は、湿害を受けた植物では常に対照区と比較して低い値を示した。このことから、湿害が引き起こす光合成速度の低下が原因で、生育後半の生育阻害を引き起こしていると考えられた。 湿害を受けた直後のダイズを用いて、cerium chloride法によって電顕レベルの活性酸素染色を行ったところ、湿害を受けたダイズでは、対照区と比較して細胞膜とミトコンドリアにやや強く染色が観察された。細胞内での発生は電顕観察は、さらに観察を続ける必要がある。
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