2014 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物とモンシロチョウのヘッドスペース揮発性成分を介した相互作用の解明
Project/Area Number |
24780028
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
池浦 博美 明治大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10440158)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ヘッドスペース揮発性成分 / キャベツ / モンシロチョウメス成虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,アブラナ科植物キャベツの生育期間中に放出されるヘッドスペースを経時的に回収し、その組成と放出量の変動とモンシロチョウメス成虫の誘引性強度を計測し、キャベツの発育とモンシロチョウメス成虫の選好強度との関係を明らかにすることを目的とした。 キャベツ本葉4~5枚程度の株の1日のヘッドスペース揮発性成分放出量は,8時で最大となり,時間の経過とともに減少し,回収終了時間の18時で最少となり、以降のヘッドスペース揮発性成分回収時間は8時とした.次に,キャベツ栽培中の定植後20日間隔でヘッドスペース揮発性成分放出量は,日数の経過とともに増加し,定植後40日以降は有意差が認められなかったものの,1株当たりのヘッドスペース揮発性成分放出量は増加傾向を示した.一方で,モンシロチョウの1日の2時間間隔の飛来数は,8時から飛来し始め12時で最大となり,これ以降減少し.18時には全く飛来しなかった.また,キャベツ栽培における定植後20日間隔での12時から1時間のモンシロチョウメス成虫産卵数は,定植時で104個,定植後20日で124個,40日で147個,60日で189個および収穫時で208個と植物体が大きくなるにつれて産卵数は増加した.また,同様の飛来数は,定植時で36回,20日で40回,40日で41回と40日目まではほぼ一定であったに対し,60日で58回および収穫時で61回と40日目と比較して有意に増加したものの,60日目以降もほぼ一定となった. 以上より,キャベツヘッドスペース揮発性成分量とモンシロチョウメス成虫の飛来数には高い相関は認められず,キャベツを認識するためにはある一定のヘッドスペース揮発性成分量があれば十分であることが示唆された.
|