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2012 Fiscal Year Research-status Report

花弁開閉運動の分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24780029
Research InstitutionIwate Biotechnology Research Center

Principal Investigator

中塚 貴司  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 細胞工学研究部, 主任研究員 (60435576)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsリンドウ / 花冠開閉 / 花き品質 / アクアポリン
Research Abstract

リンドウ、チューリップ、クロッカスなどの花き品目は、光や温度に反応して花冠を開閉する。しかし、室内観賞において花冠が開かなくり、観賞価値の低下が問題になっている。花冠の開閉は、園芸的な意義だけでなく植物の生存戦略にとって重要な課題であるにも関わらず、開閉運動メカニズムについてはほとんど明らかになっていない。
初年度は、リンドウ花冠開閉に関わる要因の一つとしてアクアポリンについて調査を行い、アクアポリン阻害剤により開閉運動が停止することを明らかにした。リンドウ花弁cDNAライブラリーを構築し、相同性検索により14個のアクアポリン遺伝子断片を見出した。花弁cDNAからRACE法等を用いてアクアポリン遺伝子の全長配列を決定し、ORF配列を取得した。分子系統解析により、4つのグループに分類され、細胞肥大に関わると考えられるPIP2ファミリーに属する5つのアクアポリン遺伝子を同定した。アミノ酸配列比較から、アクアポリンC末端のリン酸化部位であるセリン残基周辺の保存配列が明らかになった。
リンドウ花弁cDNAライブラリー情報に基づいて、44Kマイクロアレイを設計し、花弁発達時および花冠の開閉時における遺伝子変化を網羅的に解析した。花冠開閉時において発現変化を示す遺伝子は少なく、開閉運動には遺伝子発現変化よりもタンパク質修飾などの変化が関わっていることが推定された。また、代謝解析も実施した結果、、開いた花弁と閉じた花弁の間ではスクロースとグルコースの比率に変化が観察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画では、花冠開閉時の遺伝子発現の変化をcDNA-AFLP法で調査する予定でいたが、同時並行で進めていたリンドウ花弁cDNAライブラリーの整備ができたことから、カスタムマイクロアレイによる発現解析に切り替えた。このことにより、当初予定していたより格段に多い約2万遺伝子の発現変動を調査することが可能になり、多くの利点が生まれた。マイクロアレイによる網羅的な発現解析は、予想していた遺伝子群以外についての花冠開閉時における関与を推定することが可能となり、研究の推進に繋がっている。
また、アクアポリンについても14遺伝子断片を花弁cDNAライブラリーから獲得することができ、従来の相同性を利用して単離する縮重プライマーやハイブリダイゼーションによる方法より多くの候補を獲得することが可能となった。これにより、次年度計画しているアクアポリンのリン酸化状態を調査する抗体作成を厳密に行える情報を獲得することができた。
このように本年度は、計画よりも充実したデータを獲得することができたため、次年度も順調に計画が遂行することが期待できる。

Strategy for Future Research Activity

本年度、系統解析から絞り込んだアクアポリン遺伝子について、詳細な発現解析を行う。また、リン酸化および非リン酸化を認識するペプチド抗体を作成し、花冠開閉時におけるアクアポリンのリン酸化修飾状態を調査する。
また、マイクロアレイ発現解析の結果から、花冠開閉にはタンパク質の翻訳後修飾などによって制御されている可能性が示唆されたため、二次元電気泳動を用いたタンパク質の網羅的解析を行う。
これらの知見を集約し、花弁開閉運動にかかわる分子メカニズムを明らかにし、花き品質の向上に結び付ける。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

アクアポリンに対するリン酸化および非リン酸化抗体の作製と解析に研究費の多くを使用する。また、申請者は平成25年4月から所属機関を異動するため、実験器具の整備にも一部配分する。その他消耗品、オリゴプライマー合成委託等に使用する。
本研究結果を学会発表することで、研究の方向性を再確認し、内容のブラッシュアップを行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] リンドウcDNAライブラリーの構築2013

    • Author(s)
      中塚貴司、山田恵理、今村智弘、高橋秀行、齋藤美沙、藤田晃平、西原昌宏
    • Organizer
      第54回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      20130321-20130323

URL: 

Published: 2014-07-24  

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