2012 Fiscal Year Research-status Report
ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
24780036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
西谷 千佳子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所 品種育成・病害虫研究領域, 主任研究員 (10370553)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニホンナシ / みつ症 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)で、みつ症を毎年発症する系統、毎年発症しない系統でサンプリングを行うこととしている。サンプリング終了後(平成25年冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしている。 平成24年度の調査から、みつ症発症系統については、成熟時に調査した全果実でみつ症が発生することを確認済みである。なお、成熟前3週間での観察では、みつ症の発生は確認されなかった。 平成24年度は、成熟9週間前から、成熟時までの合計4回、概ね3週間ごとにサンプリングを行った。みつ症発生果実については、みつ症部位と健全部位に分けてサンプリングした。各サンプルあたり、6果実づつ別々にサンプリングした。(平成25年度も同様のサンプリングを行う予定である。)サンプリングした果実からRNAの抽出はすでに終了した。さらに、果実形質の基本的なデータを取るために、果実重、果実硬度、果皮色、糖度、糖組成、酸度の解析も行った。その結果、成熟9週間前から成熟期にかけて、果実重には大きな違いはないものの、みつ症発生系統の方が硬度が低いことが分かった。糖組成については、みつ症発生系統では健全部位であってもフルクトース、ソルビトール含量が多いことが分かったが、スクロース、グルコースでは系統間の差がみられなかった。 平成25年度は、これらの結果の再現性を確認すると共にマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現様式と果実形質の関連について解析を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)でサンプリング、サンプリング終了後(平成25年冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしている。平成24年度はサンプリングを行う年で、成熟9週間前から、成熟時までの合計4回、サンプリングおよびRNA単離を行ったため、順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は、ナシ果実の極劣悪果肉障害「みつ症」多発系統・気候条件に特徴的な遺伝子の網羅的解析である。最初の二カ年(平成24,25年)でサンプリング、サンプリング終了後(平成25年冬から平成26年度)にマイクロアレイ解析、データ解析を行うこととしている。平成25年度は、平成24年度に続いて、反復のサンプリングを行い、サンプルからのRNA単離が終了次第、マイクロアレイとデータ解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、サンプリングとマイクロアレイ解析を行う。マイクロアレイ実験(約50サンプルで1サンプルあたり5万円)、実験補助の人件費(約40万円)、成果発表の旅費(10万円)に使用予定である。
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